フィリピンを軸にしたワンストップでのオフショア開発
—— ――御社が実施する事業やサービス、他社との違いについてお聞かせください。
システム開発事業やDX支援などを軸に、日本とフィリピンの2拠点で展開しています。いわゆる「オフショア開発」を展開する企業は「開発だけでコンサルはやらない」という企業も多いんです。ただし、当社ではコンサルを含めてすべてのフェーズに関わっていきます。オフショアで全部のフェーズを請け負う会社は少ないですし、そもそもフィリピンにこういう企業自体がないのは強みですね。フィリピンでの事業に興味のある方や、英語圏でのビジネスに興味ある方にきていただきたいです。
――どのようなお仕事が多いのでしょうか?
当社では要件定義からのWebシステム開発・改善が多くを占めています。また。基幹システムや新しいWebサービスに関する相談も受け付けています。スタートアップにおけるサービスの作成もサポートしていますよ。企業としての先行きがぼんやりしていても、願望を明確化するコンサルから始めることもあるので、どんな企業にも対応可能です。
フィリピンと日本をつないだ山崎氏の考え
—— ――フィリピンという国の特徴を、ビジネスの視点で教えてください。
全体として英語力が高く、新しい技術を取り入れやすい環境にあるかと考えています。若干数学力が低いことでベトナムなどのIT企業に負けている部分もありますが…。最も大きなビジネス的な特徴でいうと、そもそもフィリピンという国に、日本のマネジメントが合わないことが挙げられると思います。先ほどベトナムの企業を引き合いに出しましたが、ベトナムは日本と近いところがあるので…。私自身、日本の文化は好きですが、マネジメントとなると少し疑問に思うところがあり、そういう意味ではフィリピンは私が好きなマネジメントでもあり、事業展開するうえでも楽しくやれている部分の1つです。
――なぜあえてフィリピンを軸にした事業展開を考えたのでしょうか?
私自身が英語力をレベルアップさせたいと考えたことが理由に挙げられます。過去にフィリピンへ留学した経験もあるので。またフィリピンは、東南アジアの中では人口分布が綺麗な傾向にあります。そのため、フィリピンでの事業は中長期目線では狙い目かなと感じました。多分流行りは、ベトナムなどのIT企業と相性の良い国で事業を行うことだと思うのですが、私自身は流行ってることをやるのが好きじゃないんです。なので、当社はあえてフィリピンを軸にしているのです。
――フィリピンでのマネジメントは、日本とは違うものを取り入れているのでしょうか?
日本で培ったマネジメントの経験は度外視し、フィリピンの文化に合うマネジメントを実施しています。まず「仕事より家族」というフィリピンの風潮を大切にし、理解したうえで進めることが大切だと考えています。仕事をしながらどう周りに迷惑をかけずにやれるかを意識し、会社も「家族」として考えるスタイルを取ることにしました。
未経験からITに飛び込み、フィリピンと日本をつなぐ存在に
—— ――御社にはどんな人材が多いのでしょうか?
未経験の方が圧倒的に多いです。私がフィリピンの英会話学校で出会った人もいます。結構変わった日本人が多いですね。寿司職人や土木関係など、異業種からのセカンドキャリアを考えて当社に来てくれる方もいます。社会人経験のみでITに触れたことがない、という方も採用していますよ。
――フィリピンと日本とで、企業間の交流はあるのでしょうか?
定期的に総会などを開催しています。総会と言ってもレクリエーション中心で、発表会やクイズ大会などがメインです。最近は、日本・フィリピンをつないだオンラインでのランチ会を開催しようかと検討中です。
逆境を経て考えるフィリピンを軸とした発展
—— ――これまでも多くの逆境を経験したかと思いますが、1番の逆境経験はありますか??
これまで私自身、数多くの失敗を経験してきました。2017年ぐらいにエンジニア関連のチャレンジを一気に実施してきたものの、自分で自分の尻拭いをすることが多くなってしまい…。1日22時間仕事するのが10日続くなど、文字通り死にかけました。なので、マネジメントに専念すると決めて現場は抜けることに。その結果、今の仕事が続いているから正しい選択だったのかなとおもいます。
――山崎様の今後のビジョンについてお聞かせください。
事業を分社化して、役員や社長を配置したいと考えています。年内で2か国で100人規模にはしたいかな。あとは新卒や未経験者を、新たに設立したグループ会社・子会社に配置できるようになりたいです。会社も家族として考えたいので、あくまで小規模での分社化を検討しています。
若さを武器とし、チャレンジする心を大切に
—— ――最後に若者へメッセージをお願いします
失敗したからって死ぬわけじゃないので、まず恐れず挑戦してみてほしいと思います。今の日本は高齢化もあって、若者に元気がないように思えます。ただ、世界的に見れば日本は恵まれた環境だと思うんです。だからこそ、希望を持たずに生きているのは勿体無い。若さがあればやり直しは効くんだから、まずは挑戦する気持ちを大切にして欲しいですね。本当に「死ぬ気」でやっているのか?と自分に問いかけて、正しい人生の選択をしてください。