アフィリエイトで得た知見をもとに、不動産事業を起こす
—— ―御社の事業と、他社との差別化ポイントをお聞かせください。
弊社は主に不動産の買い取り事業を行っています。分かりやすくいうと安く買ってきた不動産に対して、加工し、付加価値を付けて売ることで利益を出しています。さらに特徴的なところでは、私が以前やっていたアフィリエイトの知見を活かして、社内でサイト作成を行いSEOをしています。WEBマーケティングも行い、不動産の中でも訳あり物件の買取事業を展開しています。
訳あり物件買取の具体的なものとしては、事故物件買取事業、共有持分買取事業、空き家買取事業があります。訳ありと言われる不動産をWEB広告で集客して販売に繋げています。
―アフィリエイトをされていたということで、社内でライティングも行っているのですね
ライターさん、弁護士の方や司法書士の方に書いていただくこともありますが、ディレクションして取り仕切っているのは、社員が行っています。元アフィリエイターのメンバーが社内に3〜4人程いますので、内部のWEBマーケティングは強いなという印象です。
―お客様が不動産の売買で御社を選ぶ理由はどのようなところでしょうか。
現在、店舗は東京本社と千葉支店に2つあります。今後も支店を増やしていく予定ではありますが、弊社のネット広告やSNSは全国対応しています。実は、全国に対して訳あり物件を取り扱っている会社はあまりないんですね。例えば、山の方にある物件を相続されて、住む機会もなく不要な物件、賃貸に出すには古すぎて仲介会社も動いてくれずに困っているケースにも対応しています。なので、ほぼ競合することがない状況です。
―他で買取がない物件だとしても、御社はきちんとリフォームして売りに出すということですね。
そうですね。例えばお子さんのいる若いご夫婦をターゲットに、生活するための物件としての売却は難しく買い手がない。でも、個人投資家の方は収益物件として、利回り20%だったら株を買うよりいいという選択で買っていただけるケースもあります。
―不動産売買に目をつけられた理由を教えてください。
学生の時からアフィリエイトをやっていて、1番良かったのが債務整理のサイトでした。債務整理で自己破産や任意整理をすると、不動産も関わってきます。債務整理で出てきた物件がどのようなタイミングで購入できるのか、不動産所有者が借金で苦しんでいる状況も分かってきました。アフィリエイトで得た知見を活かして、2015年ぐらいから不動産を購入して大家をしていました。2019年にアフィリエイトのメディアを全て上場企業に売却。不動産売買にビジネスチャンスを感じていたので、新しいメディアで訳あり物件の買い取り事業を始めました。
合理的な雰囲気で切磋琢磨し合える社風
—— ―御社の雰囲気や社風をお聞かせください。
不動産業は、営業で数字に追われて夜まで働くブラックなイメージが強いかも知れません。でも、僕がもともと不動産畑ではないので、1,000件電話しなさいとかはやっていません。割と合理的に動くアフィリエイターっぽい雰囲気が浸透しているように感じます。
僕は36歳で、部長が36歳、25〜20代後半のメンバーが多く、切磋琢磨するような雰囲気はありますね。不動産は相談ベースで数百件あり、歩合もそこそこ出していますので不動産営業マンにとっては、稼ぎやすく高待遇かなとは思います。
ターニングポイントは就活
—— ―逆境経験を教えてください。
逆境とかはあまりなくて、強いていえば大学3年生の夏に2社受けた就職活動でのことです。会社の人事の方の高圧的な感じに会社員になることへの疑問を抱き、自分で事業を始めようと思ったことがきっかけでした。
最初はあまり儲からなくてしんどかったと言えばしんどかったです。でも、週末に友達と飲んでるだけで幸福度は高かったし、実家に住んでいたので家賃もないし10万円くらいあればいいかみたいな感じで仕事してましたね。
その後、25歳で結婚してすぐに子供ができて、さすがに実家暮らしのようにはいかないので、真剣に収入を得ていかなければと思いましたね。そこからスイッチが入り、アフィリエイトサイトを作成して、月に500〜1000万円の売り上げが出るようになりました。3〜4年はある程度優雅にアフィリエイター生活をしてましたが、ここで会社を作って社員を雇ってみんなが幸せになるような事業構造を作らないと、人生もったいないなと考えはじめたんです。
死ぬときから逆算してテーマを持って働く人生
—— ―ビジネスをやるうえでのマインドや大切にしている軸は何ですか。
―ビジネスをやるうえでのマインドや大切にしている軸は何ですか。
1番大事なのはスピードですね。仕事は遅いより早い方がいい。PDCAを回せる方が事業成長も早いし、資本回転もいいから全てにおいて早い方がいいと思っています。あとは、逆算して組み立てることも重要で、人生死ぬときがゴールだと思っているので、死ぬときから考えて今どうするべきか後悔しないように戦略を立てていく。自分の未来をきちんと考えて、逆算して今いる職場の転職でも、その日1個のタスクでも、紐づいてることが重要だと思います。
僕が1番最初にアフィリエイトでパッと売上げが伸びたときは、今では考えられない結構スパムチックな方法でやってました。サイトを作って1日に1,000ページ増やす方法なので、絶対に息切れするって分かるじゃないですか。Googleがどんどん優秀になって、そのような無価値なサイトを作っても1つも評価されないし、社会のためにもならない。自分の手元に広告費が入ってくるだけの仕事が一生続くはずがないので、コンテンツサイトに舵を切りました。
―大きな収入が入ってきて、若ければ浮かれてしまうこともあると思います。そうはならずに、リスクヘッジを考えられたのはなぜでしょうか。
中学の時、プロ野球選手になりたかったんですけど、高校のレベルがすごく高かったから、自分は違うなと気づいて。職業を考えなきゃと思い大学のころから、どうやって生きていくかをずっと考えていていました。
中学、高校の時からヤフオクで転売してたんですけど、部室の隅に落ちてるボロボロのスパイクを磨いて、ちょっと綺麗にしたら2,000円くらいで売れると気付いた。部室にある使わないスパイクを全部かき集めて、磨いて売っていました。でも、靴磨きは一生やる仕事じゃないし、誰かの悩みに応えるような仕組みを作りたいなと感じ始めたのです。
リスク回避に関しては、多分リスクが起きてしまうと面倒なことになるので、起きる前に回避する思考が働いてリスクヘッジしてるのかもしれません。
―今後の展望を教えてください
会社として、1〜2年毎に区切って社員と上司が一緒にキャリアの目標を描くような制度を取り入れていきたいと思っています。50歳で引退したい、より大きい会社へ転職したい、あるいは結婚したいとか、人生の目的やキャリアの描き方はいろいろあると思います。
描いた人生の先に、最初から独立があるならそのつもりで入ってきてもらってもいいです。僕も働きたくないと思ったところからスタートしてるので気持ちもわかるし、不動産投資を裏でやっていれば、たぶん自立して生きていけるはずです。
社員とは対等だと思っているので、仕組みや稼ぎやすい環境を与えて、会社はどんどん成長し、個人も成長する。その波に乗っていけばいいんですけど、途中で道がはずれてしまうなら、違う道に進んでその人の人生が良くなればいいと思っています。