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【boom株式会社 乗田 宏幸】広告が出せない会社をサポートする理由は子ども時代の苦労にあった?

2022/07/25

Profile

乗田 宏幸

boom株式会社  代表取締役CEO

青森県出身。学生時代は野球部での挫折を通じてビジネスで生きることを決心する。新卒後、広告代理店に4年間勤務。その後GMO TECH、For A-careerを経て、広告業界で感じたジレンマを解決するべく、2022年4月にboom株式会社を創業。。
同社は「仕組みを変え、業界を変え、世界をより良くする」のヴィジョンを基に、広告制作のプラットフォーム「boom」を運営。広告の資金調達から広告の打ち出し方まで幅広くカバー。またライバー事業を手掛けているのも同社の特徴。インフルエンサーを巻き込んでプロモーションできる現代にマッチした広告会社だ。
そんな乗田氏に広告・ライバー業界における課題とそれに対する取り組み、また求めている人材などについて伺った。
参考サイト https://www.wantedly.com/id/hiroyuki_norita

「広告費用が出せない企業が広告をし、商品を広げられる」を目標に展開

—— ――現在の主な事業を教えてください

現在はライバーや広告業界を主軸の事業とし、ビジョンは「仕組みを変え、業界を変え、世界をより良くする」ということを掲げています。事業は、そこにとどまるつもりはなく、既存の業界を変えるサービスを次々と出していく企業にしたいと思っています。

現在のメイン事業は広告代理業で、「boom」というサービスを提供しています。「boom」は広告の資金調達からできるクラウドファンディングのサービスとなっており、更に広告の訴求の文章といった広告の戦略部分もカバーしています。

広告費用がなかなか出せないが、すばらしい商品を出している企業はたくさんあります。そういう企業が広告を出せて商品を広げられることを目標に仕事をしています。

 ――他社と比較してboomの強みは何ですか

2つあります。1つ目はお金をかけずにインフルエンサーを巻き込んでプロモーションできることです。弊社ではインフルエンサーが広告のモデルになれるオーディションを開催しています。オーディションに優勝したらみんなで「ここに広告出したよね」という形でインフルエンサーやファンが広告をSNSにシェアするので、数週間、数か月間もSNS上に残り続けます。

2つ目は広告の空き枠の活用です。弊社では空き枠を安価で提供するといった従来とは異なる活用法ができるため、媒体社の売り上げアップに貢献しています。

――活躍しているライバーの特徴はありますか

弊社に所属しているライバーはライブ配信に特化したインフルエンサーで、300人が所属しています。そのうち10%から20%が常に稼働しているトップ層です。

トップ層のライバーはお客様の悩んでいること、ファンの声をきちんと覚えていることです。ファンと一緒に広告を作り上げているため、ファンが求めているコンテンツを作っていく姿勢に近いですね。トップ層のライバーを見ていると、どの業界も原理原則は同じだなあと思います。

――御社が解決したいライバー業界の課題はありますか

ライバー業界の課題としてライバーのキャリアが頭打ちという点が課題として挙げられます。

つまりライブ配信からのキャリアが見えづらいという点です。弊社としてはモデルを目指している方はモデルの仕事を提供するとか、弊社がプロデュースしてアパレルブランドをライバーと一緒につくるとか、現在のYouTuberのような存在を目指しています

子ども時代の経験から感じたすでに儲かっている顧客にいい営業をすることへの違和感

—— ――現在のビジネスモデルにたどり着いた背景はありますか

私は結構な貧困家庭に生まれました。そのため友人とは教育環境や持っている野球の道具とか、すべてが違っていましたね。当時は私自身がどうがんばっても、覆せませんでした。そのため、ゆくゆくは自分自身で覆したい、自分自身でやっていきたいという思いはずっとありました。 

新卒で広告代理店に入社しましたが、すでに儲かっている顧客に営業をして、いい枠を提供して、さらに儲けることに違和感を覚えました。まるで先ほどの私と友達との収入格差のようで、どんどん差が開いておかしい世界だなと思いましたね。

子ども時代の経験も相まって広告業界の現状を何とかしたいという思いと、現在の「boom」を大きくしたいという理想につながっています。

リーダーになってからリーダーにふさわしい人になってもらうことの大切さ

—— ――逆境の経験はありますか

大学では野球部で投手をやっていましたが、私のストレートより速い変化球を投げる投手がいました。そのような投手を見ると、その差は努力ではどうしようも無いと痛感したのが逆境ですかね。しかしプロ野球でも飛び抜けた存在のロッテの佐々木朗希投手には野球で叶わなくても、仕事では負けないハズですし、少なくともパソコンのタイピングでは勝てると私は思います。勝てる領域で戦っていく。野球の逆境経験から、勝てない領域では戦わない。ということを20歳くらいで学びました。

――社会人になってからの教訓はありますか

頭でっかちにならずに飛び込んでみるということはものすごく大事だというところですね。新卒2年目で売り上げ10億くらいの総責任者をやらせてもらいました。今思うと10億の事業はとても責任が大きいと思うのですが

当時は頭が悪く「俺は何でもできる」と勘違いしていました笑。なので自分なりに全力で仕事をして何とか数字の帳尻を合わせましたが、今から振り返ると恥ずかしいほど責任者レベルの仕事はできていませんでした

とはいえ、全力投球しているウチに、後からきちんとしたリーダーになったのは事実です。なので私も会社のメンバーに対しては「ふさわしいからリーダーになってもらう」のではなく、期待したいメンバーを抜擢し「リーダーになってからリーダーにふさわしい人になってもらう」ということを大切にしています。

もちろん、私も最初は当時の上司に我慢して見守ってもらったと思いますから、今度は私が我慢をして成長の経験を提供しなければいけないなと思っております

採用したい人物像は自分なりのこだわりや軸をぶれずに持っている人

—— ――採用したい人はどんな人ですか

自分の軸を持っている人ですね。実績は全然求めていません。きちんと自分なりのこだわりや、軸をぶれずに持っている方。それに加え弊社の目標やバリューに共感できる人が理想的ですね。

弊社としては仕事をしやすい環境を作ることに力を入れています。

仕事が好きで成果にこだわるプロ意識を持った人がとことん仕事に打ち込める環境作りが私の最重要な仕事だと思っていてたとえば社内政治を生む無駄な会議などの類は徹底的に取り除いています。このような取り組みに「いいな」と思ってくれる方と一緒に働きたいです。一方、内心どこかで仕事をしているふりや仕事っぽい事。など成果以外の部分を大切にしている方とは合わないと思います。

また今後の目標として海外展開を考えています。海外進出にあたっては私より優秀でかつ現地の言葉で交渉ができるような方を採用し、その方に海外進出を任せたいと思っています。広告以外にもさまざまな領域を増やしていきたいと思っています。そして、上場を目指します。

私は結構1人で何でもやってしまうタイプですが、大きなことをやろうとすると簡単にはいきません。さらに新しいことにチャレンジしようとすると、私より優秀な方を採用する必要があります。 

若者に伝えたい自身の経験から学んだ自分へフォーカスすることの重要性

—— ――最後に若者へ向けたメッセージをお願いします

失敗を恐れずに挑戦することが大切です。もともと私はピンチでビビっていた投手でした。ビビっているときに自分の何が頭の中にめぐっていたことは、失点したらコーチに怒られるんじゃないかなとか、仲間に馬鹿にされるんじゃないかなとか。自分に焦点が向いていませんでした。やがて少しでも活躍するために、自分と向き合うことの大切さに気づきました。

自分に向き合った結果、他人はそれほど自分を見ていないですし、自分がどう思うかの方が何十倍も何百倍も大事。自分にフォーカスできればブレずにいい選択ができると思います。

boom株式会社

設立 2022年4月
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 広告代理業およびインフルエンサーマーケティング
URL https://www.youtube.com/channel/UCuE8DYBwORQwd0ruWhTV0yQ https://www.facebook.com/boom.corporate https://boominc.co.jp/
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