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【グランサーズ株式会社 筧 智家至】才能がないと決めつけないで。できないのは「経験がない」から

2022/05/30

Profile

筧 智家至

グランサーズ株式会社 代表取締役CEO

1980年に愛知県に生まれ、大学卒業後の2004年には監査法人トーマツへ入社。2012年にグランサーズ株式会社の前身となる筧会計事務所を設立した。IPO支援は180社を超え、累計顧客数は1,500社以上にのぼる。

同社はバックオフィス全般の支援業務に加えて「ヒト・カネ・場所」にいたる多方面からの支援サービスを展開し、企業をサポートしている。オンラインアシスタントの「SUPPORT+iA(サポーティア)」、コワーキングスペースの「co-ba」など、幅広い事業展開でスタートアップ企業を中心とした経営者の悩み解決に尽力している。

そんな筧氏にバックオフィス事業にかける思いや、現在抱えている採用における課題について伺った。

バックオフィス事業から「関わる全ての人の夢を叶え人生を変える」

—— まずは、御社の事業について、他社との違いやどのような顧客をターゲットに展開しているのかなどをお伺いしたいと思います。

ターゲットとしては、スタートアップから従業員100名規模あたりまでの顧客が大半を占めています。複数の企業に対して、PM(プロジェクトマネージャー)としてバックオフィス支援に携わっていくため、一般的な企業であれば1年で1社しか担当できないところを5社分担当できる、という点が弊社の強みです。他社と比べて、入社後に得られる経験値が多いところが魅力ですね。
私たちは、バックオフィス事業を通じて「関わる全ての人の夢を叶え人生を変える」ことを目指しています。バックオフィスというのは、すべての会社に関わる存在であり、事業を支える方々です。弊社がバックオフィスを支えることによって、ひとりだけではなく、企業の抱える従業員すべての人生を変えていっているという意識で事業を展開しています。一人ひとりのキャリアパスを大事にしており、どのようなことをしていきたいのか、どのようなキャリアパスを思い描いているのかを聞いて、育てていくようなイメージです。これまでは中途採用が多い傾向にありましたが、これからは新卒からエンジニア人材を採用し育てていこうとしています。

――採用に関しては、カルチャーフィットを重視される?

そうですね。採用判断基準に関しては、カルチャーフィットがかなりのウェイトを占めています。しっかりと夢や目標がある人に入社してきて欲しいですね。現在、応募も多くきていると採用担当から聞いています。

困難や課題は自分自身がスキルアップするための通過点

—— 過去に、逆境に立たされたり苦労したりした経験はありますか。

結構、常日頃からたくさんありますよ。現在、創業してから10年になりますが、社員との関係については昔から悩んでいました。売上は増加していても、仕事の大変さで辞めていく社員がいるなど「理念を掲げているのにやっていることはしんどいですよね」といわれたこともあります。いろいろと語りかけてはきましたが、そういったことがある度に人格のすべてを否定されるような気持ちになりましたね。

 ――そのような中で、諦めずに続けてこられた理由はどのようなところにあるとお考えですか。 

続けてこられたのは、起業したときのきっかけとして私自身が「社会の役に立ちたい」「自分の自己成長を実現していきたい」と強く思っていたからです。 困難なことがあっても、その過程がなにか将来に繋がるだろうと考えていました。単純にいえば、スキルがないからそのような困難や課題にぶつかるのであって、困難や課題はスキルアップするための通過点だとずっと思い続けています。新卒採用に力を入れ始めたのは、社内で教育カリキュラムがしっかりとできあがってきたことも理由のひとつです。

新卒の方が入社してきたとしても、ある程度のところまで育てられると自信がついてきたこと、会社としてのステージが変わってきていることも影響しています。よりフレッシュな人材を入れて組織を活性化させていきたいという考えから、新卒採用に力を入れ始めています。現時点では、中途採用の社員が大半を占めていますが、社風としては前向きで明るい人が多い環境です。どちらかといえば、前向きで明るい人しか採用していないですね。また、弊社に入社後「人生観が変わった」という社員も多いです。1on1や研修を通じて物事の捉え方を変えていく、というのをずっと続けているので、すごくポジティブになったという社員もいます。

人の成長はスキルだけでなく考え方のベースが大切

—— 採用に関して苦労してきた経験から得た教訓はありますか。

当たり前のことではありますが「人とちゃんと話をする」ということですね。その人が元々もっている考えや、どうしてその考えにいたったのかということを理解、共感して話し合うことだと思います。最初の頃は、それができていない部分もありましたね。人が辞めていったからそうなったのではなく、自然と人とちゃんと話をするようになっていきました。

教育カリキュラムを整えていく中で、スキル的なカリキュラムは数年前からずっとありましたが、それだけでは伸びていかないなと感じていたんです。なぜ伸びないのか考えたときに、その人の考え方によるところが大きいと気付きました。ネガティブな考え方をもっていたり、ポジティブになれなかったりするんですね。自己肯定感が低いとどれだけ教えても自分で伸ばしていくことができない。だから、ベースとなる自分を作ってあげようというところから面談がはじまりました。新入社員に関しては、毎日のように面談しています。人として成長して欲しいという思いはありますが、その人の人生がどうありたいのか、どうあるべきなのかを考えてもらいたいですね。成長したくないのであれば、無理に成長する必要はないんです。その一方で、言葉としては「成長したくない」といっていても、深く聞いていくとその時々の感情でそういった言葉が表れている場合もあります。本音と言葉が異なる場合もあるので、きちんと話をしてみるようにしています。

できないのは「能力がない」のではなく「経験がない」から

—— 御社が今抱えている課題や、将来の展望などはありますか。

課題はとても多いです。採用に限っていえば、力をもっているエンジニアをどのように採用していこうかという中途採用に関する課題があります。一般的にスキルがあるエンジニア人材を採用したいのではなく、いわゆる「CXO(Chief x Officer)人材」(企業における業務や機能、理念、経営戦略などを実行する責任者)をどう確保していくか、という点です。

採用が一番の課題ですね。将来の展望としては「日本中の方々に私たちのサービスが役立てるようになること」が目標です。私たちがもっているノウハウは、世の中の役に立てるものだと思っています。バックオフィスの人材不足や、どのように業務を回せば良いのかという悩みを抱えている経営者の方がたくさんいるので、そういった課題を抱えるより多くの企業の課題解決に役立っていけたらと考えています。

――最後に若者へメッセージをお願いします。

自分のことを「能力がある、能力がないという視点で評価しないで欲しい」といいたいですね。現時点ではできないことも多いかもしれませんが、それは能力がないのではなく経験がないからです。経験を積むことによってできることも多くなっていくので、今の現在値をもって「自分は才能がない」と決めつけないで欲しいと思います。

自分の将来に自信をもって突っ走ってもらいたいですね。考え方次第で人間はいくらでも変わりますし、自分自身もそれを体現してきました。ポジティブな人とポジティブでない人でいえば、ポジティブな人の方が成功確率は高いと思います。もはやそれは、能力の世界ではありません。短期的に見るから成功の可否という判断基準になるのであって、数年単位のスパンで考えたときには、ポジティブな人の方が成功率は高いと思うので、自分の日々の考え方がとても重要だと思いますよ。

グランサーズ株式会社

設立 2013年9月
資本金 174,892,500円
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 バックオフィス支援 /コワーキングスペース運営/ システムエンジニアリングサービス/ IPOコンサルティング/ クラウド管理部サービス
URL https://grancers-group.com/ https://grancers-group.com/recruit/lp01
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