失敗を恐れる方へ経営者の経験から勇気を与えるメディアMiraError

「挫折しづらい日本社会。真剣に向き合った人にだけ挫折の“チャンス”が訪れる」プロシェアリング事業の創業社長の挫折論

2022/04/27

Profile

久保田 雅俊

株式会社サーキュレーション 代表取締役社長

学生時代に父親が倒れ、21歳で父の会社を清算。大学卒業後、大手総合人材サービス企業に就職。会社員として働きながらも父の介護を続ける。そんな中で社内ベンチャーを立ち上げ、イントレプレナーとして企業内社長に就任。2014年に株式会社サーキュレーションを創業。代表取締役社長に就任し、2021年7月に東証マザーズに上場した。

同社の事業は、各職種のプロ人材を雇用ではなくプロジェクトごとにシェアするという、新しい人材活用のあり方である「プロシェアリング」事業。18,000人以上(2022年1月末時点)のプロ人材を保有しており、プロ人材が働きやすい社会創りにも注力している。


そんな久保田氏に過去の挫折と、挫折から得られた教訓や人生観について伺った。

社長が倒れるだけで多くの中小企業が立ち行かなくなる現実

—— 挫折経験がありましたらお伺いできますか。

最初にぜひ断っておきたいことは、「挫折」という経験はチャンスの1つなんだ、ということです。今の日本はとても平和で、直面する課題から目を背けても穏やかに過ごせます。だから、壁にぶつかって挫けるよりも壁を超える気力が起きない「無力感」の方が抱きやすいかもしれません。この挫折をさせてくれない日本において挫折するということは、それだけ誠実に、進んでいくべき道を誤魔化さなかったということだと思っています。

そんな私も数々の失敗や、自分の力ではどうにもできないと打ちのめされた挫折があります。

最も大きかった挫折は、21歳の時に父親の会社を清算しなくてはならなかったことです。社長である父が倒れた後に会社を継ごうとしましたが、事業承継できず、会社を清算せざるを得ませんでした。

これは起業の何倍も大変でした。起業は実現したい未来に向けて前向きに取り組めますが、会社の清算は「どう終わらせるか」を選ぶもので、辛いことばかりでした。

最も致命的だったのは「ヒト」の問題です。経営において重要な「ヒト・モノ・カネ・情報」のうち、モノ・カネ・情報は既存サービスを活用して解決できます。しかし当時、父の会社の経営ができる人はどうしても見つからなかったのです。経営者がいなければ経営はできません。当時21歳だった私には、父が創り上げた会社を清算するしか道は残されていませんでした。

父の会社を清算した経験から、「社長が倒れると、多くの中小企業が立ち行かなくなる」という現実に気付かされました。日本は99%の会社が中小企業であり、その会社のほとんどがオーナー企業です。当社のプロシェアリング事業が、中小企業をはじめとした全国企業の問題解決を行っているのは、このときの経験が大きく影響しています。

誠実に挑戦して挫折することがいつか必ず自分の糧になる

—— 数々の挫折を経験しても心が折れなかった理由をお伺いできますか

折れない心を持っていると思われるかもしれませんが、そうでもありません。たとえ挫折しても、その度に自分らしく挑戦できる道を選ぶことが重要だと思っています。逃げたくなる時もありましたが、私の場合は家族の人生もかかっていると感じていたし、「誠実でありたい」と思いました。「この挫折をしてよかったと、いつか思いたい」という一心だったようにも思います。選ぶべき道があるのなら、それを見なかったことにしたり、誤魔化して挫折を怖がるのではなく、誠実に行動した結果であれば、たとえ徒労に終わったとしても経験が自分の糧になると信じています。

 

挑戦と失敗の経験こそ資産

—— 挫折経験からの教訓がありましたらお伺いできますか。

「どんなときも挑戦すること」です。挑戦する心は、年齢を重ねるにつれて積み上げたものへの影響を恐れて失っていってしまいがちです。ですが、挑戦と失敗の経験こそ資産になります。挫折しそうなときや困難な場面があっても、後から振り返れば、その経験はかけがえのない財産になっています。たとえショックな出来事があったり、挫折するようなことが起きても、挑戦し続けることが大事です。

今の社会では失敗経験をする挫折よりも、「人生を変えたいのに変えられない」という無力感を伴う挫折の方が多いかもしれません。しかし、じっとしていても人生は変わりません。人生を豊かにする方法を考えて、自ら行動していく必要があります。将来の自分の姿をイメージするといいでしょう。未来をイメージすることは、自分の可能性を大きくしてくれます。

 

「社会貢献を目的として働くこと」が次世代の働き方

「将来、自分はどんな姿になっているのか」ということを考えることは大事です。また、「なぜ自分はそうしたいのか」と、理由を考えることも大事です。漠然と「社会に貢献したい」という理由でも良いのです。とにかく、「なぜ、その仕事をするのか」を考えることは、仕事をしながら生きていく上で重要です。

「社会貢献を目的として働くこと」が次世代の働き方であると感じています。「大企業に就職して、収入が得られれば良い」というモチベーションで働いている人もいるかもしれません。しかし、「将来、どのように社会貢献をしているか」を考え、企業を見るのではなくその先の社会を見て仕事をすることが、これからの時代ではスタンダードになってくるでしょう。

大胆な目標は人生の可能性を大きくしてくれる

—— 御社が求める理想の人材をお伺いできますか

先ほどお話しした「なぜ、その仕事をするのか」を考え抜いている人です。例えば、「少子高齢化の問題を解決したい」でも構いません。とにかく、「何かを解決したい」という強い気持ちがあるといいです。なぜなら、その気持ちは必ず社会貢献に繋がるからです。他者のために行動する「利他の精神」があり、社会問題の解決に取り組みたい人と働きたいです。

他には、大胆な目標を持てる人。大胆な目標は人生の可能性を大きくしてくれるからです。大胆な目標を立てて実行することは、とても難しいことです。しかし、一見高い山でも、登り方を工夫すればいつの間にか「登り方を考える力」がつき、その力が人生の様々な困難に立ち向かう力になります。若いうちはぜひ、大胆に挑戦して自分の伸びしろを最大限活かしてください。

深く考えて結論を出すことが求められる時代だからこそ、直感に従う

—— 最後に新卒や若者へのメッセージをお願いします。

深く考えて自分で結論を出すことが大事な時代です。だからこそむしろ、ぜひ直感に従って欲しいです。コロナ禍により働き方が大きく変化した現代は、まさに時代の転換期と言えます。社会が変化するスピードは加速する一方です。

情報化社会だからこそ、深く考えて自分の考えを精査してまとめることは大事ですが、長く考えすぎて機を逃すよりは、何回も失敗して挑戦し続ける人の方が実体験から深い教訓や学びを得て成長していくものです。人生における選択では直感を大事に、行動量を増やし、挑戦し続けてください。

仕事でも考えすぎて行動できないと、改善速度や成長速度が落ちてしまい、業績も振るわなくなります。直感を信じて、挑戦して失敗してもいいのです。もちろん失敗は失敗として受け止めなければなりません。しかし、もし社内でそういう人がいたら、私は必ず労います。失敗を恐れず、直感に従っていれば、きっと道は拓けるでしょう。

 

株式会社サーキュレーション

設立 2014年1月
資本金 8億6,125万2,000円 (2021年7月末時点)
売上高 55.06億円(2021年7月末現在)
従業員数 182名(2022年1月末現在)
事業内容 プロシェアリング事業
URL https://recruit.circu.co.jp https://note.com/circu https://circu.co.jp/sustainability/
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