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【株式会社BOTANIC 上甲 友規】「人間到る処青山あり」紆余曲折のキャリアを歩んできたからこそ伝えたい、止まらずにチャレンジする大切さ

2022/04/20

Profile

上甲 友規

株式会社BOTANIC 代表取締役社長

大学卒業後、大手メーカー会社、コンサル会社を経て、2019年2月に株式会社BOTANICに入社。2020年6月より代表に就任した。

同社の事業は、店舗型の花屋だけでなく、花を宅配するサブスクリプションサービスなども展開。複雑な流通や過酷な労働環境など、事業を通じて花屋業界の課題解決を目指している。

そんな上甲氏に過去の挫折と、挫折から得られた教訓について伺った。

オンラインでお客様に花の魅力をお伝えする過程には、まだ改善の余地がある

—— 事業についてご説明いただいてもよろしいでしょうか

当社は、一般的な「オシャレなお花屋さん」から事業をスタートしています。花屋を営む中で、流通業者や生産者、店舗でお客様と接することで、業界の課題を感じました。そのため、花屋業界の課題を解決することも当社の1つの存在意義と捉え、事業展開しています。

都内に3件ある実店舗では、個人のお客様向けにお花を販売することに加えて、ショップや結婚式用を始めとしたイベント向けの装飾のお仕事も承っています。また、プレゼント用にネットでお花を購入できるだけでなく、定期的に自宅に届くサブスクリプションサービスも展開しています。

今後の事業展開としても、オンラインで花や植物を扱っていくことをメインに据えています。昨今では、ご自宅用に花を買われる方が少しずつ増えてきており、オンラインで花を購入する方も増えています。しかし、オンラインでお客様に花の魅力をお伝えする過程には、まだまだ改善の余地があります。このような状況の花屋業界において、当社がリードカンパニーになることが目標です。

 

100%自分で望んだキャリアでなくても、その経験は人生の糧になる

—— 失敗談がありましたらお伺いできますか

全てが失敗ではありませんが、これまでのキャリアで紆余曲折を経験したことです。大学卒業後、大手メーカーに入社して人事企画の部門に配属されました。とても魅力的でやりがいがあった業務でしたが、3、4年ほど勤務する中で、自分の先が見えてしまった気がして。その後、経営コンサルティング会社に転職しました。

コンサル会社では、様々なお客様を相手に、多岐に渡る業務をこなしました。楽しかった部分もありましたが、心のどこかで、仕事が自分に合っていないことを感じていました。そのため、当社に入社するまでは、決して理想のキャリアを辿れていなかった

、と思っています。

また、花屋の代表にもなるべくしてなったわけではありません。。当社を起業した友人に誘われ、私は当時副社長として入社しました。その後に会社を引き継いで代表になったんです。

転職したこと、花屋に入社したこと、代表に就任したこと、これら全て若い頃に描いたプランではありません。そのため、常に理想と現実のギャップを感じていたキャリアでしたが、今ではその経験を活かすことができています。

例えば、メーカーの人事で経験したことが、今では経営面で活きています。他にも、メーカーの現場ではたくさんのプロの職人さんがいて、現在の花屋の現場と似ているため、そういった点でも経験を活かすことができています。

コンサル会社では、経営や事業の戦略を考えたり、ビジネスの仕組みを作るような業務をやっていました。これまで色々と経験してきたことが、今になって少しずつ活かせているのです。100%自分で望んだキャリアでなくても、その経験は人生の糧になります。

葛藤はあったが、紆余曲折のキャリアも無駄では無かった

—— 理想のキャリアを歩めなかったときに、葛藤はありましたでしょうか

葛藤は常にありました。例えば、大手メーカーでの人事企画の業務は、今振り返ると貴重な経験でしたが、当時は「敷かれたレールの上に乗ってるのではないか」という感覚もありました。今思うとそんなこともないのですが、将来の人生がイメージできてしまっているような、そんな葛藤が常にありました。

コンサル会社で勤務していたときも葛藤はありました。例えば、クライアントへの提案が実行されれば、社会に大きな影響を与えられるのではないか、と思える提案をしても、実際には実行されないこともしばしばありました。もちろん自分の力不足ではあるのですが、そういった意味でも葛藤は常にありました。

しかし、会社の代表になると、「社会は思い通りにいかないもの」ということがよく分かりました。思い通りにいかなくても、道を切り開かなければなりません。今では、紆余曲折したキャリアでの経験が活きています。葛藤はありましたが、紆余曲折のキャリアも無駄ではありませんでした。

キャリアのキッカケになりそうなことを、自分で手繰り寄せることが大事

—— 色々な経験を積むことは大事でしょうか

そうでもありません。例えば、もし 新卒のタイミングで起業したいなら、そのまま就職せずストレートに起業する方が絶対に良いでしょう。やりたいことが決まっていたり、自分の想いが明確なら起業は早い方が良いです。ただ実際は決断の早い人ばかりではありません。

しかし、私のように、これまで経験してきたキャリアを活かして起業する方も多いでしょう。ストレートに起業する人は一握りで、大半の人が色々な葛藤をしながらキャリア作ります。私のような人に今回の話が伝われば幸いです。

ーー紆余曲折なキャリアを歩まれた経験から得られた教訓はありますでしょうか

やりたいことがあるなら、それを実現するために努力が必要なことです。私は、「いつかは自分で事業をしたい。チャレンジングな環境に身を置きたい」という気持ちがありました。愛媛の農家出身なので一次産業に関心があり、たまたま友人が花の事業をやっていたので、友人を手伝う形で入社しました。

このように、キャリアのキッカケになりそうなことを、自分で手繰り寄せることが大事です。「何かやりたい….」と思うのならば、少しずつでも何かしらの行動をするといいでしょう。行動を続けていると、いつかチャンスが来ます。キッカケに繋がる行動をしっかりやるべきです。

逆算して行動できればいいのですが、実際は計算しきれない部分も多いでしょう。それでも一生懸命に考えていれば、キャリアのキッカケに繋がる行動が、何かしら思いつくはずです。そのときに行動できる人と、行動できない人に差ができます。分からないなりに行動することが大事です。

人の話を聞いたり、カジュアルな面談に参加したりでもいいです。知り合いから仕事の話を聞くのもいいでしょう。積極的に情報収集とアクションを起こしていった先に、偶然のチャンスが待ち構えていることもあるはずです。

素直にどんな仕事もやる柔軟性があれば、スキルはあまり重要ではない

—— 御社で求める理想の人材をお伺いできますか

コミュニケーション能力がある人や素直な性格の人を求めます。もちろんビジネスで活かせるスキルがあるに越したことはありませんが、スキルは二の次で大丈夫です。スキルは後から身に付けられます。

当社のような、創業から数年しか経っていないベンチャー企業では、過去のキャリアでの仕事に囚われずに色々な業務をやらないと、会社が成り立ちません。そのような状況で、自分の仕事を決めつけてしまう人は、おそらく当社には向いてないでしょう。素直にどんな仕事もやる柔軟性があれば、スキルはあまり重要ではありません。

ベンチャー企業の魅力は、スキルが無くても活躍できるチャンスがたくさんあることです。そのため、スキルよりも人間性を重要視します。目の前に色々な仕事がある時に、「これは自分の仕事ではない」という姿勢ではなく、積極的に仕事をすることができるメンタリティがとても重要です。

やりたいことが明確じゃなくても、常にチャンスは転がってる

—— 最後に新卒や起業志望の若者へのメッセージをお願いします

私の座右の銘でもある、「人間到る処青山あり」という言葉から、「止まらずにチャレンジすべき」という言葉を送ります。私も、決して若くない年齢で代表に就任しました。若いときにチャレンジすれば、色々な問題を柔軟に乗り越えられます。少しでも起業の気持ちがあるなら、すぐさま行動に移すべきです。

若者と面談する機会があり、「起業前に経験を積みたい」と言われることがあります。しかし、「やりたいことが明確なら、早くチャレンジした方がいい」と、常に伝えています。若いときにチャレンジして失敗しても、かすり傷で済みます。やりたいことがあるなら、行動するべきです。若いときなら失敗してもリスクは少なく、成功する確率も高いでしょう。

過去の私のようにキャリアに迷ってたり、やりたいことが明確じゃなくても、常にチャンスは転がってます。また、キャリアは無駄になりません。アンテナを張って、思いついたら即行動する姿勢でいれば、きっと良い未来を導くことができます。ぜひ頑張ってください!

株式会社BOTANIC

設立 2014年4月
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 35名
事業内容 フラワーギフトやディスプレイ用装花など
URL https://www.botanic.in/
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