クライアントの要望は全て具現化 ボーダーレスな3つの事業で不可能をなくす
—— まずはじめに御社の事業内容について教えていただけますか?
弊社では様々な事業を展開していますが、事業部としてまだホームページに公開されていない部分もあります。去年の8月から大幅な組織変更を行い、メカニカル、IT、ビジネスソリューションの3つの事業を行っています。それぞれが様々な取り組みや、新商品開発を行っており、ボーダーレスで連携しながら進めていくのが弊社のスタイルです。
弊社は営業部隊を持たず、120名の社員のうち95%がエンジニアです。メカニカル分野では、自動車部品や内外装のボディー設計をはじめ、アミューズメント系機器や、プラモデルやフィギュア等のエンターテインメント系の商品開発も行っています。
ITではSaas系サービス、サブスクサービスの開発をはじめ、複数の自社プロダクの開発を行っている。もともとは受託型のサービスや工業系メーカーからの受託開発をメインに行っていたが、コロナ禍の中、お客様のニーズに左右される商売なので「このままでは良くないよね」と話が進み。自社サービスを中心にしていくようシフトチェンジをしています。
ビジネスソリューションでは、自社ECサイトの運営やお客様の企画案件を請け負って製品化までサポートをします。IT、電気、メカの3分野を手掛けているので、極論お客様の要望があれば、どんな製品でも具現化出来ます。
販売促進や商品開発企画以外だと、教育事業も行っています。
メーカーのお客様は毎年何十人、何百人と新卒採用をされ、ビジネスマナーや初期研修を行っています。しかし、エンジニアとしての専門技術の教育、実務研修が出来ずOJTを始めると、基礎知識が揃わずスタートラインがばらばらになってしまいます。
OJTで伸びる子もいれば、そうでない子もいるため初期の専門教育を毎年150〜200人ほど担当し、GW空けくらいから3週間ほど請け負っています。
また2020年からプログラミング教育が小学校で必修化になったため、小学校低学年向けのプログラミング教室も自社で運営しています。他にも出張授業ということで学校の先生達へITリテラシーを教育したりと、ビジネスソリューションでは幅広い事業を手掛けています。
ーー実際にファンテクノロジーではどの様な人が働いていますか?
本当にいろいろな人がいます。平均年齢は34歳ですが下は20歳、上は63歳ですね。業界的に女性が少ない環境ですが、弊社の女性社員は25%ほどで、今後マーケティングやカスタマーサポートとして女性比率も上がると思います。
人間性で言うと千差万別でホビー系の商品が多いため、いわゆるオタクの子もいます。逆にすごく明るく元気な人もいます。
部署が3つありますがボーダーレスで交流が盛んなため、コロナ前は全社員で集まったり、社員旅行とかも行っていました。社員旅行も会社が計画したのではなく社員同士が「温泉行きたくない?行こうよ」と話を勧めていて、「会社で補助してくれませんか?」と計画してきてくれます。
弊社では役職者に対して「部下の意見を絶対に潰さず受け止めよう」と教育しています。受け止める器が無いと良い仕事が出来ないという認識をしているからです。そのため弊社では「言ったもん勝ち」といった雰囲気もあり、やりたいことがあれば「やりたい」という社員は多いです。
裏切り・バックレ 波乱万丈の時代を乗り越えた先に見えたもの
—— 創業から今までの中で、特に苦労したことはありますか?
もともと3人でスタートしたベンチャー企業ですから、バックボーンや資金、人もないところから始まりました。当初は社員の裏切りやバックレ、会社のお金が横領されたこともありました。
ただ、私が経営者だから言い訳はできない、「そもそもそういう会社だった」「そういうことが出来る環境、システムだったと」思うようにしていました。むしろそうしないと怒りという感情に飲まれそうだったので。
ただ失敗と捉えず経験だと思い、同じことをしないようにどうすればよいか、改善策を考えここ10年間は進んでいます。正直もう裏切られることは嫌ですが、その裏切りがあったからこそ、今何がだめだったか気付けるきっかけだと思います。
前職で企画提案の営業をしていましたが、その際は何が必要か、どうやって開発するのかなど常に顧客目線で考えていました。その顧客というのは消費者もそうですが、ファンテクノロジーに応募してくれる人も同じだと思っています。
なぜ数ある会社の中で弊社を選んだのか、そしてどうすれば応募者に満足してもらえるのか顧客目線と同じ考えを持っています。私の根底には三方良しという「売ってよし、買ってよし、世間良し」が無いとビジネスは成り立たないという考え方があります。
だからこそ社員の裏切りに対して、「なぜ見放されたのか」「社内体制や商品が悪かったのか」と原因を探すことに尽きると思います。
18歳で500万万円を貯めオーナーに 中卒経営者だからこそ若者に伝えたい思い。
—— ご自身の経験を踏まえ、読者の若者にはどの様なメッセージを伝えたいですか?
私の人生は結構波乱万丈で、最終学歴で言うと中卒です。
父親のつてで青果市場で働き、その後金融に興味があり転職をしました。ただ学歴も知識もなく証券は難しいと思ったので、消費者金融へ転職をし色々自分で勉強しながら仕事をしていました。
今はネットが発達しグーグルですぐに情報が手に入りますが、当時は先輩に教えてもらったり自分で情報を集めたりと大変な時代でしたね。
そういった自身の境遇がそうさせたのかもしれないですけど、いつも私は「出来るか出来ないか」ではなく、「やるかやらないか」で物事を判断します。
今は栃木の大学や高校で授業を行うことも多いですが、学生に向けて自分の生い立ちを話す機会も多いです。その時に必ず「僕に出来たんだから君たちに出来ないわけがない。スタートが月とスッポンくらい違う。君たちはもっと賢くて優秀なんだから。」と言います。
「なんで出来ないって決めちゃうの?出来ないって選択肢はないでしょ。」とメッセージを伝えます。私自身の経験から「やるかやらないか」の2つで物事を考えてきたから、僕よりも優秀な学生たちには出来ないなんて思ってほしくないですね。