アメリカ発 松田CEOの夢
—— 起業に女性の下着を選ばれた経緯をお聞かせいただけますか
子供の頃から起業をしたかったのです。23歳で初めての海外旅行でニューヨークに行き、その洗練された街並みや颯爽と歩くニューヨーカーたちのカッコ良さに憧れたのです。
世界中を飛び回る仕事がしたく、商社などそれに近づける仕事の起業を想定しながらトラックドライバーをし、お金がたまると夢の実現を求めて海外に行きました。
そして、30歳でサンフラシスコのサンノゼに行きました。そこで目にしたフリーマーケットの中で女性下着を売っていたんですよ。それまでまったくのノーマークの女性下着でした。
かならず女性が身に付けるものです。真剣に自分に合う下着を探す私の家内の姿を見て、自身の身体と同じだと下着を大切にする女性の話を聞き、それまで日本に無かった女性下着の販売を考えてみようと思ったのです。
お客様に寄り添い、お客様に本当に合った下着を身に付けていただくことを念頭に日本の下着業界で初めてDtoC事業に乗り出し、今では実際に弊社の商品を手に取り、体感していただける場所としてリアル店舗も置いています。
取り扱っている商品は基本的には補整下着ですが、弊社では『適正下着』と命名しています。お客様の年齢・体型・体質の変化、お客様のライフスタイルに合った適正な下着を提案することの出来るビジネスモデルを現在構築中です。
そして世界中に広めること、それが私の夢であり弊社が目指している目標なのです。
創成期から軌道に乗るまでの苦労 松田CEOが培ったもの
—— 事業をスタートした頃のご苦労をお聞かせいただけますか
事業は手持ち資金35,000円でのスタートでした。勤めていた会社を辞め、100万円の借入れをしてサンフランシスコに飛んだのです。
すべての場合に当てはまることではないでしょうが、大事な場面では退路を断って前進することが必要な場面も出てきます。人間である限り考え出せば不安はたまるばかりです。そんな時には感じたままに動くことも必要だと思います。
はじめから上手く進むことはありません。人脈が無ければ金もない。3、4年は売れもしない。先は不安ばかりで、しかもその不安は現実となっていきました。なかなか思うように進めることは出来ず、家族での毎日食費が500円での生活が続きました。あの頃が一番苦労しましたね。
フリーマーケットも、借金をして出店した実店舗も河内長野という大阪中心部から離れた場所ではうまくいかず、日中アルバイトに行き、夜中に藁にもすがるような思いでパソコンに向かい、インターネットビジネスに活路を見出したのはこの頃です。
その時、自身の苦労を未来への投資だと考えて自分を勇気づけて頑張りましたが、出口の見えなかったあの頃は本当に辛かったですね。
ーーそのご苦労の暗闇を抜け出すことが出来たのはいつ頃でしょうか
ネット事業で商品が売れ始め、売上げが上がって来た頃でしょうか。事業をスタートして4、5年、やっと普通に生活が出来るようになった2007年、2008年くらいです。しかし、そこでまた次のステージが待ち受けます。個人事業のままで満足するのか、人を採用して会社組織として事業を大きくしていくかでした。そこで私は悩むことなく大きくしていくことに賭けました。
自分の生活をもう少し辛抱し、人に投資し、次のステージに登ると決めたのです。ただここで勘違いしていただきたくないのは、人への投資とは結局自分への投資なのです。人に投資したことは最終的には自分に返って来るのですから。
仮に人に裏切られることがあるとすれば、それは自分に裏切られる何かがあるんです。
上手くいかないことがあるとするならばそれは自分のなかに原因があるのです。
上手くいくことは回りにいる人のおかげなのです。
人がすべて、会社を動かすのは人なのです。
人を大切にしない会社が上手くいくはずがありません。
より人が活躍できる会社づくり 松田CEOが目指す会社組織の未来
—— 今後の事業展開はどのようにお考えでしょうか
国内市場での目標は日本の下着市場のシェア1%を目指し、世界中への事業展開に注力したいと思っています。進出している韓国、それからオーストラリア、中国へと現在行っている事業モデルで売り込み、DtoC事業を拡大展開していく予定です。
国内での実店舗であるサロンを大阪・東京・名古屋に続いてコロナの状況を確認しながら全国に展開していく予定です。お客様が自在な購入方法を選べるオムニチャネルの構築を進めています。
『下着を通じて、世界中の人々に喜びと感動と笑顔をお届けする。』という経営理念を掲げています。弊社では下着を売ることをゴールとは考えていません。まだ公表段階ではないのですがコア事業である女性下着の販売に加えて、当社独自の強みであるバイタルデータを活用し新規事業を現在準備中です。
ーーそれらを進めていくための直近の課題を教えてください
組織と仕組みと役割ですね。採用活動、PR活動、資金調達のどれもが大切ですが、会社の成長度合いに合わせた組織の仕組み作りと役割を考えることが重要だと思います。
一人で起業しましたので徐々に大きくなっていく会社をその段階、その成長ステージに合わせて組織を作って来なければなりませんでした。
その中で組織として動く仕組みを属人化させてしまわないように、誰もが出来る組織の仕組みというのではなく、より人が活躍できる組織を作らなければならないと考え進めてきました。
会社の成長に合わせた組織論を経営課題として考えています。
若さが持つ力 松田CEOの勧める小さな挑戦
—— 最後に若者たちへのお言葉をいただきたく思います。
『着眼大局着手小局』という言葉があります。目指すところ、思うところは大きく持って、始める時には地に足を付けて一歩一歩進む、とにかく少しずつでも前に進むことです。
そして、まずは『迷ったらやってみる』ことです。
小さな挑戦で頭をぶつけ小さなたんこぶを作ってください。そして、そのたんこぶは作らないようにすることを考えるのではなく、作ってもそのあとをどのようにでも切り抜けられることの可能な力を付けていってください。
そんな能力を身に付けるためには経験が必要です。そして、経験が宝となります。
お金を経験に置き換えての複利計算を想像して下さい。失敗は経験であり、あきらめなければ財産となります。そんな経験をたくさん積み上げていって下さい。気が付いた時にはアッと驚く結果になるような複利計算で失敗を積み上げていってください。