失敗を避けるには、なるべく大きなリスクは取らない
—— 事業内容について教えてください。
弊社は「投資の学校」事業をしています。大学入試の予備校のように、目的別に授業を受けることができます。大学入試では色んな科目がありますが、投資の世界もたくさん覚えることがあるし、種類も違います。その中で、何を勉強したいか、どのようなスタイルで勉強していきたいか、マンツーマンで学びたいか、1対多数の講義で学びたいか、オンラインで学んでいきたいかなど、受講生が選べるようにしています。
他には、受講生の7割以上が50歳以上のシニア層で、BtoCのシニアマーケティングの専門の会社でもあります。ですので、シニア向けのマーケティング業務も得意としています。
—— 失敗談などあれば教えてください。
これまでに大きな失敗はないです。2008年に26歳の時に起業をしましたが、失敗しないように、なるべく大きなリスクを取らないようにしてきました。そのおかげで、お金に関する失敗はないし、これまで起業してから後悔していることもありません。
うまくいかないことは常日頃ありますが、物事の解釈は必ず2つあると思っていて、ネガティブに捉えるか、ポジティブに捉えるかだけだと思っています。よく言われるように、コップの中の水の量は、これだけしかないと思うか、こんなにたくさんあると思うか。
失敗の定義にもよりますが、失敗は「諦める」か「時間切れ」この2つしかないと思います。もし年収1000万円ほしいという願望があったとしたら、誰にでもチャンスがあると思います。それが、定年退職までに達成する目標なのか、それとも新入社員が1年以内に得たい目標なのか。
もし、新入社員が1年以内に1000万円を得るという目標だとしたら、かなりハードモードな目標になります。会社員で叶えることは難しいので起業するという選択になるかと思います。
時間が無限にあれば、諦めなければ大抵の目標は叶うかもしれませんが、その目標をいつまでに達成すると決めてしまうと、諦めなくても時間切れになってしまうかもしれません。
このように、今年の売上の目標などを立てて、それに到達しなかった時はいくらでもありますが、それが達成出来なかったからといって、会社が倒産するというわけでもないので、失敗とは呼ばない。
いずれにせよ、経営危機に陥るようなリスクを取らないようにしてきたので、大きな失敗は今のところありません。
周りに期待しないで淡々と行動することが目標達成には重要
—— 失敗しないための教訓などあれば教えてください。
物事に、過度に期待しないことです。期待しすぎると、それが叶わなかった時、落胆してしまいます。落胆するとやりたくなくなって諦めてしまったりする。ですので、上司・政治・会社・世界・世の中に期待しすぎるのはあまり良くないと思っています。
目標を達成するには、その目標に向かってコツコツ積み上げていくことが重要だと思います。ですので、過度に期待して、裏切られ、落胆してしまうと、やる気がなくなり、コツコツ続けられなくなるのは避けなくてはいけません。目標を見据えて淡々と行動していくことが大事ですね。
—— 求める人材について教えてください。
人としての当たり前の感覚を持っている方ですね。例えば、思いやりや素直さ、それと学歴はあった方がいいです。学歴は、当たり前のことを当たり前の時期に普通にやっていればそれなりについてくるものです。その当たり前のことができているという指標として、学歴を見ています。
他には、相手の立場を思いやって仕事をやれる人に大きな仕事や報酬を与えたいと思っています。いい仕事は信頼できる人とやって行きたいですね。
やみくもに起業するのではなく、世の中のことやお金の勉強を若いうちにしてほしい
—— 起業することに対して不安を持っている若者にメッセージください。
起業する上で漠然とした不安があるというのは、ほとんどが将来のお金の不安に関することだと私は思います。お金の不安がなくなれば好きなことができると思います。しかし、日本は老後2000万円問題などが出てきて、70〜75歳になっても定年しないで働く時代になってくるでしょう。
起業して年収数千万円になっても日本は税率が高いので、なかなかお金が貯まっていきません。やりたいことがあってもお金がなくてできないことがでてきます。ですので、早いうちから世の中のことやお金のことを勉強してほしいと思います。
自由に使えるお金がほしいのであれば、会社員をしながらでもできることは、実はたくさんあります。起業すると24時間365日休みなく働くことになり、ライフワークバランスを崩して、身体を壊してまで本当にしたいのか、自問自答してみてください。時間の自由、お金の自由の観点からも、成し遂げたいビジョンを考えておくことは大切なことです。
若者にはどんどんチャレンジはしてほしいですが、チャレンジは自分の人生であと何回できるだろうかなど将来を見極めて欲しいです。1つの事業が軌道に乗ると、5年、10年はあっという間です。そのサイクルを2~3回繰り返すと、あっという間に50代、60代になってしまいますので、ただ興味のあることをやるのではなく、自分の将来や世の中の動きについて真剣に向き合ってみて欲しいと思います。
これからの時代は特に、会社員であっても5年後、10年後、その企業が今と同じように成長しているとは限りません。チャレンジ精神があるというのはものすごいアドバンテージです。挑戦する心を大事にしてください。