「5年先の自分は幸せだと思いますか?」激動の時代を生き抜く私たちへの問い
—— 「これからの自分にワクワクできる世の中をつくる」というビジョンへの思いを教えてください!
これは「5年先の自分に対して期待できる」という意味を示していて、5年後にワクワクしない状態が日本にあるのか、ということが重要になります。
私は大学生の頃に創業して5年目になりますが、出身地の仙台では震災もあり、色々なことがあった地域でした。高校生の時からボランティア・NPOでそのようなことに向き合ってきましたが、大学に入ってから社会的活動をしながら利益を出していくためにどうするべきか研究していました。その際に日本人の社会課題を調べる機会があり、内閣府の出している幸福度に関する調査を見ました。珍しかったのは2013年の論文で、「今幸せですか?」という質問の後に「5年先の自分は幸せだと思いますか?」という質問をしているものとなっており、今の幸せと未来の幸せの相関を調べる内容でした。そして過半数の人たちが「5年先の自分は幸せだと思ってない」と回答していました。
特にZ世代は、日本が政治・経済的に良く動かないという諦めを感覚的に持っています。ただ、老若男女全員に聞いたアンケートだったため、計量的にもこの先に期待できない世の中になっています。自分はそんな社会で生きていくのは嫌でした。変えられる範囲では自分の未来を期待できる人たちが多ければ良いなと思い、それができる会社を作りました。今幸せではない人が5年先の自分に期待できる社会構造を作れる事業を展開していけば、諦めから先に進めると思います。
「法人口座も作れない」学生時代に行った起業で苦労したこと
—— 起業統治で苦労したことを教えてください
第一に、場所とお金が無かったことです。学生起業で友達と一緒に起業したため、投機できる場所がありませんでした。結局知り合いの古民家にしていたのですが、山奥で物理的に行けず、コワーキングスペースや大学の教室で活動していました。給料も最初は2万円ででしたので、お金にはずっと苦労しています。法人口座も作ることができなかったくらいでした。今考えてみると非常にしんどかったですが、友達と起業していたので半分遊んでいるような感じでした。好きなメンバーで好きなことをやっていることが、楽しかったです。大義のない人生の方が退屈だったのだと思いますね。ただ起業する際は、物とお金は用意したほうが良いですね(笑)自分たちが居られる拠点は作っておきましょう。と過去の自分や今後起業する人には言いたいですね。
――辛いことがあっても諦めようとは思いませんでしたか?
21歳で起業したため、これから先があると思っていました。これまでの人生もお金があったわけではなく、落差も無かったです。起業のスタイルとしても「稼ごう」という感じでもなかったです。
――事業を始めてからの苦労を教えてください。
思っている成長速度に至らなかった点に尽きます。思っている事業速度に到達しないのは全部社長の責任なので、そこに苦しんでいます。後から振り返れば「こうすればよかった」という話が毎週のように次々出てきます。頑張り方や今後の方向性が見えてこない中で、”すごい頑張る体制”で行ってきたのですが、協働創業者が2年前くらいに辛くなり辞めてしまいました。その際は「色々と良くなかったな」と思う機会になりました。
事業選定の仕方、ゼロイチのやり方、ゼロイチが終わってから、採用について、初期のスタートアップの際のチームのリズムの作り方なども教訓になりました。「大変だったな」という感じはしませんでしたが、事業が伸びなかったためやり方の悪さを感じました。
「世界で有名なキャラクターを自分の人生でどれだけ作れるか勝負する」
—— 「世界で有名なキャラクターを自分の人生でどれだけ作れるか勝負する」
普通の大学生活を送っていました。
大学3年の終わりに前述した論文を読んだことが直接のきっかけで起業しました。就職できるイメージが自分に湧かず、人の話を聞いて仕事をしている自分も想像できず、なんとなく「無理」という感覚がありました。起業する際の恐怖心はなぜか無かったです。借金をして起業をしたわけでもないので、リスクも無く怖さもないからだと思います。
自分は人生の中で人と比較して考えることも無かったため、リスクや怖さを考えずに飛び込みました。
――今後の事業展開について教えてください!
社会現象を作っていきたいです。「デザイナーズトイ」という商材はマイナー文化ですが、この概念をメジャーにしていき、世の中にどんどん広めていきたいと思っています。世界で有名なキャラクターを自分の人生でどれだけ作れるか勝負もしています。それを通して、会社のビジョン・信念も達成していきたいです。
「自分の作った作品が60万人超に見られる」アダビトだからできるやりがい
—— 社風・採用について教えてください。
気合が入っている熱い人が多いですね。
口より手を動かす若者が多く、27歳の自分よりも若い人がいます。パワーがあってみんな元気ですが、話すよりも仕事を畳んでいくタイプの人が多いです。キャラクターの会社なのでサブカルチャー好きな人もメインでいて、好きなこと・得意なことを仕事にしようという意識の人が多いです。ビジネスマン・ビジネスパーソンというよりは、SNSやイラストなど好きな領域のある人が入社しています。
自分の作り出した作品が多くの人に広まり喜んでもらえることは、やりがいになると思います。自分の作った作品が60万人超に見られることは人生でなかなか無く、ミーハーでトレンド感の強い人は仕事をしていて楽しいと思います。
採用については、この会社にいないようなスタートアップ感のある人が逆に欲しいです。手を動かすのが早く、色々なプラットフォームで何かを展開していくようなコラボや企画等のディレクションができる人ですね。もちろんイラストレーター・キャラのプロデュースが出来る人はずっと採用し続けていきたいです。
「自分が昨日・一週間前・一年前より良い状態であることを作り続ける」
—— 最後に若者へのメッセージをお願いします!
好きなことがある人はそのままやり続けて欲しいです。お金が理由で好きなことを諦めないように頭を使って、好きなことをやり続けて欲しいです。
好きなことが無い人は目の前のやるべきことに取り組んで、できることを増やして、好きなことを作って欲しいです。
人生において自分のやりたいことをやって、自分が昨日・一週間前・一年前より良い状態であることを作り続けることが一番幸せだと確信しています。好きなことをやり続けていると、その状態が作りやすく、好きなことをやっていることに意味があります。