時代に合わせた医療提供を目指して
—— まずは事業内容について教えていただけますでしょうか。
「医療を想い、社会に貢献する。」を企業理念とし、24時間365日対応の外勤診療紹介を目的とした、医師やコメディカル向けの人材紹介をはじめとする様々な事業を展開しています。現在、全国に約70,000名の医師、約20,000施設の医療機関とネットワークを形成し、全国の医療機関への非常勤医師の累計紹介件数は150万件超え、業界トップクラスです。
他に、オンライン健康相談・オンライン診療・往診を一気通貫で行うアプリ「Door. into 健康医療相談」を提供し、新しい医療サービスを創造し、コロナ禍での社会課題解決にも取り組んでいます。
――最近ではコロナウイルスの蔓延によって「医師不足」という言葉はかなり聞き馴染みがありますが、医療業界では以前から課題感はあったのでしょうか。
実は、医療現場における人材不足は20年ほど前からありました。きっと、若い皆さんは病院にいくこと自体少ないですよね(笑)しかし、高齢になるにつれて腰が痛かったり、生活習慣病などで病院に行く回数が増えていきます。
日本は世界の中でも高齢化が進展している国です。高齢者が多いので当然病院に通われる方も多い。結果的に日本では慢性的に通院される方の治療を行えるだけの医療の供給が追いつかなくなっているという状態にあります。
――なるほど時代に沿って医療のニーズは変わっていくんですね。
そうですね。これから10年、20年経つと高齢者が減ってくるので人材も充足してくると言われてます。しかし、病気を治すことだけが医者の役目ではなくて、健康の維持増進も大切な役目です。会社の社員が健康的に仕事ができるようにサポートをする産業医が活躍していたり、医師が自宅にいても診療ができるオンライン診療等の技術が発展していることから、これからの時代は医療の仕事現場は多様化していくと考えられます。
時代の変化を受け入れる経営計画
—— 今後のニーズに向けた事業展開を先立って行われているということですが、時代の変化にいち早く適応するために、意識して取り組まれていることはありますか?
そうですね、若手社員に積極的に活躍してもらえるような環境づくりに力を入れてます。新しいものを創るには、新しい情報を取り入れていく必要があります。現在の新卒世代は新しいテクノロジーに対する感覚や、判断力、エネルギッシュさといった点においてパフォーマンスが高いなと感じてます。
例えば、私たちの会社にはニックネーム制度があります。同僚はもちろん上司もニックネームで呼び合うものです。実際に私も新卒さんからニックネームで呼ばれてます(笑)このように、立場によらずフラットに話せる雰囲気を作ることで若手でも意見や相談がしやすい環境づくりに力を入れています。
また、私たちの会社では取り組める仕事内容に対して勤続年数は関係ないので、やりたいという気持ちがあれば積極的に新規事業チームにも参画してもらっています。 現在、社長直轄の経営企画室には数ヶ月前に入社した新卒社員が配属され、社内ディスカッションでアイデアをもらうのはもちろん、他企業と話をする際にも前面に立って活躍してくれています。
――若手のうちから、かなりやりがいのある仕事ができるんですね。会社で活躍できる人材を採用するために意識していることはありますか?
私は採用の際にあまり過去の経歴を意識していません。むしろ「これからどんなことがしたいのか、どうなりたいのか」ということを問いかけるようにしてます。会社の将来のことを考えて語ってくれる方がいいなと思います。将来に夢を持って、思いを言葉にしてくれる方にぜひいらしていただきたいですね。
――「夢を語ることのできる人物」の強みはなんでしょうか。
自分の想いを語ることができる方の強みは、意見を言えることです。今の若い方は新しい流行や、情報を手に入れるのが早く、私たちの年代では考えつかないような意見を持っていることも多くあります。しかし、どんなに良い意見を持っていても共有しなければ何も始まりません。
想いを語ることできる方は、良くも悪くも思ったことを口にしてくれます。実際、私もかなりズバズバ言われます(笑)それでも「なるほどな」と 勉強になることも多いです。
私は経営者と医師の視点を意識して話をしますが、そこを意識しすぎてしまうとクリエイティブなアイデアであっても避けてしまうということもあります。そのため、議論の際に「それは違いますよね」って意見してくれる人材はありがたいです。
「自分らしさ」が求められるZ世代への期待
—— 最後に若者へのメッセージをお願いします。
今の若い方達には「やりたいこと」にどんどん取り組んでチャンスをつかんで欲しいです。皆さんはやりたいことをやることに高いハードル感じている人が多いと感じます。実際に弊社社員でもやりたいことに対して、いざGOサインが出たとしても戸惑ってしまう方もいます。まさか「やっていいよ」と言われると思っていないんでしょう。しかし、やりたいと思ったのならばあとは「やる」と決めるだけです。
これまでの人生の大半を占めている学校という場所では決断する時は親や先生に許可が必要な環境だったから、自分で決断することに慣れていないんだと思います。失敗したくないという気持ちもあると思いますが、自信はあるものではなく、つけていくものです。「今日のお昼は何食べようか」など小さな決断と一緒で、やりたいことをやることは、それくらい気軽なものと捉えてどんどん挑戦していって欲しいです。