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【ポーターズ株式会社 西森 康二】「今までになかったものを」人材業界で活躍するサービス誕生の背景

2021/01/30

Profile

西森 康二

ポーターズ株式会社 代表取締役

2001年にポーターズを設立。国内・海外の人材業界に向けたクラウドサービスを開発・運用している。創業以来、人材紹介企業向けの業務管理システム「プロ・エージェント」をリリースし、2012年にはクラウド型統合管理システム「PORTERS HRビジネスクラウド」を開発。海外10か国を含む人材紹介・人材派遣企業を中心に約1,600以上の導入実績を誇る。AIやRPAのようなテクノロジーを駆使することで、企業にとって大切な人材の最適マッチングを実現した、時代の流れを読み求められるサービスを展開し続ける西森氏に、人材ビジネスを始めた経緯を伺った。

人材ビジネスを最適化する画期的なサービスを展開

—— まずは、事業内容について教えていただけますか。

ポーターズは、「Matching,Change your business」をミッションに掲げ事業を展開しています。そのうえで人材マッチングビジネス向けクラウドサービスの提供を通じて、アジアの雇用創出に貢献するNO.1企業となるというビジョンを持っています。そのビジョンに従い事業を展開しており、現時点では人材紹介、人材派遣、再就職支援などのような人材ビジネスのためのサービスを提供しています。

具体的には、「HRビジネスクラウド」と「Matching Pro」を開発、販売しています。「HRビジネスクラウド」は人材業界のための求職者や求人などのデータを一元管理し、最適なマッチングを行うクラウドサービスです。英語にも対応しており、現在世界11か国で使用されています。また、「Matching Pro」は2020年にリリースした仕事と人材の最適マッチングを実現する、AIによるレコメンドサービスです。

またポーターズの現状としては、日本国内の人材紹介ビジネス市場におけるクラウドサービスとしては、ナンバーワンのシェア率を獲得しています。今後は、業界内サービスとして圧倒的ナンバーワンになることを目指して挑戦し続けるつもりです。最近では、海外アジアへのマーケットに進出したり、人材派遣市場に踏み出したりするなどの挑戦をしています。

――学生時代の頃はどのような学生だったのでしょうか。

活発な学生だったと思います。出身が高知県で、高校生のときまで高知で暮らしていました。とても自然豊かな環境のなかで毎日遊び活発に過ごしていたので、正直勉強はあまりしていなかったですね。それから大学受験に失敗し、一年浪人して東京の大学に入学するタイミングで上京しました。

大学生時代はハンググライダーにのめりこんでいて、資格も取得し一年の半分以上を山で過ごしていたことがあります。浪人のときには必死で勉強づくしな日々を送っていたので、それが終わってからの時間はとにかく楽しもうと好きなことをして過ごしていました。

現在のサービスは、安定した収益を取れるサブスクリプションモデルでサービスを販売していますので、これらに積極投資していき今後更に伸ばしていきたいです。そしてアジアを主要地域に拠点をどんどん展開して、先端技術でプロダクトを開発、改善していこうと考えています。

今までになかったサービスを開発 20年前人材業界が抱えていた問題とは

—— 起業しようと思ったきっかけは何かありますか。

会社設立に至った背景として、起業した2001年頃は今のようなクラウドサービスは存在していませんでした。いくつかの業務管理のパッケージはありましたが、独自に実現したいことがあれば、イチから作るしかなかったのです。 

当時はそういうことが当たり前で、人材業界においても、システムはスクラッチ開発というものが主流であったのですが、実際に導入した後に変更ができないこともあり、運用上難しくとても便利とは言えない問題が多発していました。

お客様側からするとそのようなシステムを手に入れることは非常に難しいことでした。その理由として、まず莫大なお金がかかること、そしてお金は戻ってこないにも関わらず上手く機能しないことがあることが問題視されていました。当然、システムを購入する側としては大きなリスクが伴っていたのが当時の現状です。そういった当時のシステムの不便さやお客様側の悩みを解決できる方法がないかと考え、クラウド型の人材業界向けの業務管理システムを開発しようと思いつきました。

またその他の背景としては、1997年と1999年に人材紹介の法規制が変更されたことが大きく影響しています。それまでの人材紹介の規定では、人材紹介等の許可を取ることはそう簡単なことではありませんでした。その問題であった法規制が変更されたことで、参入障壁が格段と下がり多くの優秀なマネジメント経験者が人材業界に参入する傾向となりました。年間1000以上の事業者が増えていく状態だったと思います。

人材業界へ多くの事業者が参入する社会になり、より重要視されるようになったのは、企業と求職者の正確なマッチングです。求職者の情報とどういう求人情報があるのかというデータをどれだけ集めて、どれだけ効率良く見つけられるかが重要となってきていました。ただ、そのマッチングを成功させるために必要な情報をすべてまとめたツールが存在していなかったのです。

そこで、常に進化し続ける人材紹介向けのクラウドサービスを作れば人材業界の発展に貢献できる、そしてその企業の人材集めの満足度を上げ、企業の発展に貢献することが可能になると確信しました。

――起業して困難だったことはありますか。

リーマンショック時に、既存ユーザーが前年対比で 40%減の60%になってしまい、 新規ユーザーが40%程取れていた為、採算は取れてはいましたが、経済の影響を直接的に受けるのは経営努力が足りないと改めて感じました。

それを乗り越える為に、人材紹介だけではなく、人材派遣や、日本の景気が悪いのであれば、海外といった繋がりのある所で広げて、景気の波に左右されないように強固な経営体制になるように進めています。

成功のために大切なのはチャンスを掴むための努力

—— 20代の若者がすべきこととは何でしょうか。

若いうちに取り組む価値があると思うことは、「思いっきり働くこと」「自分の能力を伸ばすこと」「思いっきり遊ぶこと」の3つです。30歳にもなると、一人ひとりの能力や経験値の差が縮まることはそう簡単ではなく、広がっていく一方です。だから若いうちから能力を伸ばす努力をし、物事をやりきる癖をつけることが大切だと思います。

また、成功する人と失敗する人の違いはチャンスを掴めるかどうかです。成功はチャレンジし続ければいつかは手に入ります。諦めず挑み続ければ成功する日が来るのです。しかし、チャレンジし続けるにはチャンスが必要です。そしてチャンスを手に入れるためには、誰よりも深く考え、誰よりも時間をかけて物事をやり切る力が必要です。その努力を継続すれば、チャンスは必ず訪れます。 努力しないと当然チャンスは掴めませんし、当然ながらチャンスが無ければチャレンジすることもできません。チャレンジできない人は成功する可能性も生まれません。成功したいと思う人には、ひたすらにチャンスを掴む努力をしてほしいと思います。

――どのような学生が魅力的だと感じますか。

どんな学生と働きたいかというと、「未来志向の人」「勉強熱心な人」「謙虚な人」です。ポーターズが大切にしている価値観として、「プロフェッショナルであること」「チャレンジし続けること」「徹底すること」があります。 

チャレンジするにはまず、プロフェッショナルでなければならないと思います。これは、闇雲に物事に取り掛かっても上手くいく確証はないので、まずはプロフェッショナルにならないとチャレンジしても成功しないのではないかということです。やはり、チャレンジするための努力をまずはすべきだと感じています。そしてそのチャレンジには必ず未来志向を持っていてほしいです。

――新型コロナウイルスの影響で例年と比べて変化が見られる就職活動ですが、現在就職活動に取り組む学生にメッセージをお願いします。

特に今年就職活動をしている大学生は、新型コロナウイルスの影響で大変な思いをしている人もいるかと思います。しかし、そのような状況下でも変化を楽しめる人になってほしいです。特に今回のコロナ旋風の状況の中で就活をすることは、これまで誰も経験していないことです。 

もし私なら、コロナの状況で就活をするという経験を積めることを、これも良い経験だと捉えます。これは私の考え方で、初めてのことを経験できることを大きな財産としているからです。コロナだから大変だとネガティブな出来事にするのか、それとも初めて経験できる身として新たな経験値として自分の中に落とし込むかは、あなたの考え方次第です。

周りの環境が悪いからといってネガティブに考え、自分はついていなかったと落ち込むのは果たして正しいのか、一度考えてみるのもいいかもしれません。マイナスに考えている人はもっとポジティブに考えることができると思います。

誰も経験したことがないことはあなたにとって大きな財産となります。その考えを持って、不利な状況のなかでも前を向いて物事をやり切ってほしいです。

ポーターズ株式会社

設立 2001年8月29日
資本金 1,000万円
売上高 1,013百万円 (2019年12月期)
従業員数 56名
事業内容 人材業界に特化したマッチングクラウドサービスの開発、販売
URL https://www.porters.jp https://hrbc.porters.jp/
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