デジタルマーケティング戦略を作りこむ会社
—— ナウビレッジ株式会社を設立したきっかけをお伺いしたいです。
私は2012年に株式会社UZUZを創業し、退職時点で正社員45名程度の規模になりました。
UZUZは第二新卒・既卒に特化した人材紹介の会社として会社経営をしていたのですが、特にWebマーケティングが強みとして成長しておりました。
世の中の多くの人材系の会社が、求人獲得の法人営業や、転職希望者様とのキャリアアドバイジングに強みを持っておりますが、Webマーケティングに苦戦しております。その中でUZUZは創業期からWebマーケティングを内製化して、力をつけてきました。
UZUZの創業社長でもありますが、一方でデジタルマーケティングの今後の可能性に興味を持ち、2020年11月末をもってUZUZを退職し、デジタルマーケティングを極めるために新会社を設立しました。
できないことはできない、できることをやる
—— 今村様が経験した失敗談をお伺いしたいです。
UZUZの社長として勤務していた2017年の頃をお話します。
1年間で72回病院に行き、5回入院し、2回全身麻酔の手術をしました。
会社の業績自体は良かったのですが、『もっとやらなくちゃ、もっとやらなくちゃ』と自分自身にプレッシャーをかけることで、うつ病になってしまいました。
3ヵ月の休職期間は、毎日のように、眼科・整形外科・精神科など多くの病院・クリニックに通い、痛みが出る箇所の回復に努めました。
日本人あるあるなのかもしれないですが、自責傾向が強すぎると過度に自身にプレッシャーをかけて体を壊してしまいます。
――どのように失敗を乗り越えたのですか?
仕事で乗り越えたことが大きいです。結局精神面からくる障害は、どれだけ投薬をしても、通院しても一時的な回復しかなかったですね。
できないことはできない、できることをやるという考え方によって、精神面への負担も軽くなりました。例えば、僕は会社の中での仕事は苦手で、逆に営業のような外での仕事が得意でしたので、会社の中での仕事はほとんどしていません。
そのように役割・業務・責任を切り分けることで心も整理されました。
努力の量は評価されない、結果やプロセスが評価される
—— 仕事において、なぜ量よりも質が大切なのですか?
努力の量は会社から評価されず、結果だけが評価されたり、結果までのプロセスを評価する会社がほとんどです。
例えば、9時から18時までの勤務時間の職場で働いているとします。18時以降も仕事ができると考えていると、仕事に対して質よりも量で勝負してしまいます。質より量で勝負してしまうと、どうしても成果が出ないことが多々あります。
僕も昔は、努力の量が大切という考えのまま2年間過ごしていたこともありました。23才の頃です。
朝6時から8時半まで会計士の勉強をして、9時から今と同じように第二新卒のサポートを別の会社で9時間ほど働き、そこからスーパーで3時間バイトをして、また塾に戻って会計士の勉強をするという生活をしていました。なので、会社員、アルバイト、塾生という3足のわらじで過ごしていました。僕は、時間が余ったりしているとスクールに通って何かを勉強したりするのですが、これは効率が悪く、勿体ないことだと思います。
1つの道に絞る、もしくは関連性のあることをできていればよかったのですが、第二新卒の面談、スーパー、会計士という関連性の全くない3つをし続けていたので、勿体無かったです。
成長意欲が高い人は、特に長時間働いてしまう可能性が高いと思うのですが、何時間働いたかは会社から評価されないので、空回りしないようにしてほしいです。長時間働いているのに、結果が出ないということにならないように、仕事に対して量よりも質を求めるべきです。
18時以降も仕事ができると考えるのではなく、決められた時間の中でいかに成果を出すことができるかを考える方が、時間効率も良く、成果を出すことができます。
人の影響力は大きい
第二新卒の面談、スーパー、会計士という関連性の全くない3つをし続けていた2年間なのですが、第二新卒の面談を行っている会社の社長がいい人で、結果が出ていないにも関わらず怒らずに接してくれていました。そのおかげで、お金をあまり稼ぐことができず、努力の量を間違えた2年間でありましたが、精神面は全く問題がなかったです。
――今村様にとって、働くにあたっていい環境はどのようなところですか?
自分なりのいい環境というものはあるのですが、それは人それぞれ違うので追い求めるのは難しいと思います。ただ、どんな環境がいいというよりも、こんな環境は辞めておこうというものがあって、全く褒められないという環境は辞めておこうと決めています。
1社目の上司からは、1度も褒められず、怒られてばかりだったので、そういう風にはならないでおこうと思っています。
いい環境かどうかを入社する前に見分けることができればいいのですが、それがとても難しいです。
人事の人が素敵で、人事の人がいいからという理由で入社してみたら全然違う環境だった、人事の人とは全く会わない、ということも多いです。また、現在働いている環境での上司がいい人だったとしても、部署異動でその環境は変わってしまうので、やはり入社前にいい環境かどうかを見分けることは難しいです。
自分の興味があることに対していかに努力できるか
—— 今村様が思われる、魅力のある求職者さんはどのような人ですか?
自分が興味を持ったものに対して、時間をかけて磨いていくことができる人が魅力的です。
例えば、企業の面接を受けるとき、自分は学生時代に何をしていて、どのような結果を残すことができて、どのように努力したかを伝えることができれば、志望動機がそこまで必要ないということです。いかに努力をしていたのかが、面接での通過に関わってきます。将棋でも、麻雀でも、テニスでも、読書量でも何でも構わないのでどこまで拘り抜いたか。そこが評価ポイントですね。