キャリア教育のアップデート
—— 株式会社Beyond Cafeの事業について説明をお願いします。
事業領域としては人材をメインにしており、キャリア教育をアップデートするというビジョンの中で「若者が働くことを通して夢中になれる場所」というミッションを掲げています。
まだ働いていない学生に対してどうやったら‘働く’を夢中にできるのか。という所に注力しています。現在キャリア教育のアップデートの為に、人材紹介やイベント業などを通じて一人でも多くの人たちが‘働く’を夢中にできるように取り組んでいます。
――なぜこのビジョンを掲げられたのですか?
僕たちの時代は労働生産人口が減少し、政府は海外の方の受け入れや高齢者に働いてもらうことで働き手を増やしたり、ITやAIを導入して生産性を向上させようとしています。でも僕は1番働く意欲の強い若者がどれだけ働くことに夢中になっているかが重要だと思っています。いかにシステムを導入しても意欲の高い人がいなかったら新しいことは起きないと考えているからです。
働くことを夢中にできる人たちを増やすためにはキャリア教育が大切なのですが、現状のキャリア教育だと働くことを夢中にできている人は日本だとたった6%と言われています。だからこそ、日本のキャリア教育をアップデートする必要があると思っています。民間でキャリア教育を変える1番ダイレクトなアプローチは何かと考えたときに、僕はエージェント業だと思ったわけです。
ただ現状、学生から見るとエージェントへの評価が低いと言われています。
本来エージェントは学生の過去や将来を聞いて、現状の業界とその人の才能や強みを活かせる道を適切に導く存在である必要があります。
しかし実態は「今ある会社の中で良いと思った会社に行って下さい。」という確率論になってしまっていたり、自分に合わない会社を紹介される事もあります。そして学生からは結局金儲けに走っていると思われてしまいがちなんです。
ですが、業界のことや企業の売り上げ、給料など何でも知っているエージェントは学業と仕事の大きな溝を埋めて、企業と会社をつなぐキャリア教育の船長だと思っています。だからこそ人材エージェント業というところから僕たちは業界でのイメージも変えていきたいと考えています。
大事なのは信用・信頼を高めて夢を語ること
—— 創業当時、1年間で7つの商材の販売に携わるもその過程で3回ほど会社が潰れそうになったというお話を伺いました。心が折れそうになった時はなかったのでしょうか。
当時、僕は社長ではなく取締役員で、責任の重さが違いました。ですので参考にならないかもしれませんが、心が折れそうになったことは確かにありました。しかし創業時の僕を含めて3人はそれぞれがお互いの弱みを払拭できる、バランスの良いチームでした。だからこそ上手くできたという感覚はあります。
会社を創業して共同する場合は、裏切られても許せるなと思える人と一緒にすることが大切です。そして本音でぶつかり合って言いたいことをいえる環境もすごく大事です。
—— すぐにサービスをニトリさんやDMMさんなどのように大手企業さんから使って頂いたと伺いました。コツみたいなものはあるのでしょうか。
これは僕というより代表の杉岡がすごかったという話です。若いうちから勝つためにはすごい人にどれだけ応援・サポートしてもらえるかだと思うんです。戦いだって何回も勝っている人にサポートしてもらったほうが勝率が上がるわけです。そういう人に仲間になってもらうためには信用信頼と夢を語ることの2つが大切です。
杉岡はこの2つに長けていたからこそサービスを使って頂けたのだと思います。
パフォーマンスを上げるには選択と集中
—— 創業時以外で経営者として一番きつかったことはありますか。
事業がうまくいかない時は辛いですし、売上目標と現状の差分が埋まらない時は資金が減っていくので辛いです。このまま来月や再来月従業員の給料払えなかったらどうしようなど常に葛藤です。 人材ビジネスは就活生が決まってくる4~6月が繁忙期なのですが、新型コロナウイルスのような問題がポンッ!と出てきて、採用がストップしてしまうことで1番売り上げが見込める時期に売り上げが見込めない時は本当に焦ります。
—— そういう時はどのようなアクションを取られたのですか?
環境の変化に適応して、その中で顧客が何を望んでいるのがいかに早く手を打つ事です。
新型コロナウイルスの場合ですと、いち早く全てオンラインに切り替えて何とか乗り来ました。
オフラインからオンラインでの顧客体験を想像してシミュレーションを重ねました。そして変更点の洗い出し、オペレーションマニュアルの作成などを行いました。
—— 逆境から得た教訓はありますか?
時間が有限だということです。1日24時間と人間みんな平等だからこそ、どれだけその時間の質や密度を上げれるかだと思います。
何にどれだけの時間を割くのか。どれだけ集中するのか。僕がやらないといけないことか。やらなくていいことなのか。というようにパフォーマンスをあげるためには選択と集中が大切だと思います。
偉そうなこと言っていますが、僕も全部を一度に担おうとしすぎてパンクしたことがあるんです。
だからこそ何をやって何をやらなくていいのか、どれに集中するのか、選択と集中が大切だと思っています。
焦らなくても適切なタイミングが人には絶対来る
—— 最後に若者にメッセージをお願いします。
無理に焦らないで欲しいです。
目の前のことや与えられていることをやっているうちに能力が高まり、「やってみる・人よりできる・嬉しい・もっとやろう」となります。そして、‘自分に才能があるかも’と思ってきたらそれが楽しくなり、これを絶対やるんだっていう気持ちになります。
個人差はありますが、人には人の来るべくタイミングが絶対あるので、まずは焦らずにしっかりと自分の得意なこと、自分の強みにとことん向き合ってそれを伸ばす経験や体験を積み上げて力を蓄えてほしいです!