採用広告とは
採用広告とは、企業が新入社員や中途社員など従業員を募集するために求職者へ向けて出す広告のことです。募集要項・求める人材・待遇などを載せることから、採用PRとも呼ばれています。
採用広告と言っても種類や形式にはいくつかの種類があるため、各自の特徴を理解して使い分けると求職者が集まる広告になります。以下に種類とそれぞれの特徴について解説しますので、参考にしてください。
採用求人広告の種類
採用求人広告にはいくつかの種類が存在します。一般的な採用広告は、就活転職サイト・求人検索エンジン・ハローワーク・SNS・入社案内です。それぞれの特徴がありますので、確認してみましょう。
就活・転職サイト
リクナビ・マイナビ・タウンワークなど、就活サイトに載せる方法はスタンダードな採用広告です。就活・転職サイトは求職者が自ら登録してエントリーするシステムで、企業側が会社情報や求人方法を記載して求職者のエントリーを待ちます。
求人広告を集めて載せる求人情報サイトには、総合型と特化型が存在します。総合型は職種や業種を問わず様々な求人があるタイプで、特化型はエンジニアやデザイナーなど特定の職種・業種に限定した求人だけを載せています。
求人検索エンジン
求人検索エンジンとは、Web上に存在する求人情報を集めたサイトのことです。あらゆる求人サイトに記載されている求人情報を検索できるため、このようなサイトは求人媒体ではなく求人検索エンジンと呼ばれています。
ハローワーク
ハローワークの施設内にある情報端末(パソコン)に、企業の求人情報を採用広告として無料で掲載することができます。企業・求人の情報登録は企業の所在地を管轄するハローワークで行う必要がありますが、求職者に対して紹介する求人情報は全国で共有されます。
企業が新規雇用を行った時には、助成金を貰える場合もあります。一般的な対象者は特定就職者雇用開発助成金の条件に当てはまる方(高齢者・若年者・障碍者・就職困難者など)で、さらに年収・資格・媒体などの条件で出る助成金もあります。
助成金にはこのように複数の種類が存在しており、その中にハローワークや民間の紹介事業者等の紹介で雇用すると貰える助成金もあります。関心があれば、ハローワークの担当者に直接聞いてみましょう。
SNS
SNSを利用した採用広告は、ソーシャルリクルーティングと呼ばれています。求人広告よりも発信情報に制限がないため、仕事内容だけでなく、より現実味を感じられるような日常の情報も伝えることができます。
求職者は社内の雰囲気や働いている人たちの様子なども気になるところですので、そういった求人情報サイトでは見せられない日常に近い部分を発信すると良いアピールになるでしょう。求職者の不安を取り除くような載せ方・内容が大事です。
入社案内
採用広告の入社案内とは、入社検討者向けに会社情報や仕事内容をまとめた独自のパンフレットです。入社案内は説明会で企業側が渡す他、DM(ダイレクトメッセージ)として求職者や学生の自宅に直接送ることもあります。
採用広告は1つの種類ではなく、求人検索サイトから始めて就活・転職サイトを併用する形に移行する流れが多いです。
求人広告はエンジンの方が求人情報数が多くなりますが、求職者的にはサイトの方が応募フローが簡単・こだわり検索機能が充実しているなど使いやすい点が多いため、エンジンとサイトでは求職者の層が分かれています。
つまり、どちらも使うことであらゆる層の求職者に求人情報を見てもらえるようになります。そのようなメリットから、エンジンとサイトを両方使用して募集をかけている企業が多いです。
効果的な採用広告の作り方
効果的な採用広告を作る上で気を付けたいところは、ターゲットの明確性とキャッチコピーの工夫です。求職者側に伝わりやすい作り方が大事ですので、ターゲットの明確性とキャッチコピーの工夫、この2点についてご紹介していきます。
ターゲットは明確に
ミスマッチを防ぐために、ターゲットは明確にした方が良いでしょう。求職者に求める仕事や力量、採用したい能力などをイメージし、広告を見る側が分かりやすいように記載してください。
ぜひ採用したいと思う能力や経験など、重要な点だけをシンプルに書き記すことが大事です。あまり多くの要綱を書いてしまうと、求職者が委縮して応募しづらくなります。ここだけは譲れないという部分を限定し、シンプルにまとめて記述しましょう。
キャッチコピーに工夫を
キャッチコピーには業界No.1など自社の宣伝だけの言葉を入れがちですが、働く側のイメージがしにくいので効果は薄いです。また、職種:営業など具体性に欠けた書き方もおすすめしません。
キャッチコピーを作る上で大事なことは、ターゲットとする求職者の立場になることです。自社のコンセプトに合った求める人材がイメージできていれば、キャッチコピーを考えるのは比較的簡単になるでしょう。
求職者側が知りたいことを載せること、これがターゲットを惹きつけるキャッチコピーとなります。
採用広告のNGワード
採用広告を作る上で、気を付けたいNGワードというものが存在します。多くは法に関わるものですので、何がNGでOKなのかをちゃんと把握していきましょう。
今回は、性差別表現を始めとした4つをご紹介します。
性差別表現
男女雇用機会均等法で、労働者の募集・採用時に性別を理由とした表現は禁じられています。NG例には、営業マン・看護婦・女性歓迎などがあります。OK例は、営業マン(男女)や営業スタッフ・看護師・女性活躍中などです。
ただし、業種的に性別が限定される職業は適用除外職種として違反になりません。適用除外職種に認められている求人は重量物運搬(男性のみ)・女優・男性モデル・巫女・レースクイーン・現金輸送車の警備員(男性のみ)などがあります。
年齢差別表現
雇用対策法で、労働者の募集や採用時に年齢制限をする表現は禁じられています。NG例には、18歳以上・若い方歓迎・45歳以上の方の適性検査を実施などがあります。OK例は、年齢不問・学生歓迎・全員適性検査を実施などです。
ただし、求人募集・採用にあたり年齢制限に合理的な理由があることが認められる場合は例外になります。たとえば、長期勤続のキャリア形成のために雇用期間を決めず若年者を募集・採用する時などがそれにあたります。
特定の人を差別する表現
特定の人を差別すると受け取れる表現は差別表現にあたるため、求人広告を出す際も批判を受けないよう注意が必要です。NG例には、外人・〇〇県にお住まいの方などがあります。
外人は外国人と表現すればNGになりません。出身地や居住地の指定は基本的にNGですので、〇〇に住んでいる方などの表現は採用広告に使えません。
また、差別表現の有無を問わず、受け取る側が不快になるような表現は避けましょう。社会的に何が不快表現に該当するのか調べてみると、避けるべき表現を知ることができます。
実態と異なる条件
求人広告に実体とは異なる好条件を記載するなど、求職者をだます行為は禁じられています。企業は経営状況などで求人広告掲載時から入社までに労働条件を変えなければならない状況になることもありますが、そのような時は必ず入社前に候補者へ説明してください。
また、給与と最低賃金・就業時間と法定労働時間・勤務時間が6時間以上になる時は最低45分、8時間超えの場合は最低1時間の休憩時間を設けているかなど、他法律との兼ね合いにも注意が必要です。会社を守るためにも、法律から外れないように注意することは極めて大事なことです。