インターン生は学生ではない。一人の社会人だ。
—— 事業内容を教えてください。
僕らがしているのは長期インターンシップを超えた「第0新卒」というプログラムの運営です。そもそも会社の目的は大学生のキャリア教育を行うことなので、主の事業というものがなく大学生が成長できる環境を提供できる事業であれば何でもやっています。一般的な会社では考えられないかもしれません。
例えば個人営業プログラムでは通信系の会社やウォーターサーバー、ガス会社の案件など幅広くあり、法人営業ではITのシステムや過去には採用ナビ媒体なども取り扱っておりました。また、営業以外でも広報やライティング、イベント運営、企画、人事、マネジメントなど多岐に渡る分野でキャリア教育、支援を行っています。
営業では学生に対してただ物の売り方を教えるのではなく「営業とは何か」、マネジメントでは「マネジメントとは何か」というところから教えています。本質的なスキルが身に付いた状態で新卒採用されて社会に出られるため、どのような環境であろうとも活躍できる可能性が高まります。目先の成果を出すために教育するのではなく、どんな職種や職種に就こうが活躍できるように育成しています。
僕たちは応援を生み出す人材を輩出することを事業ビジョンとしており、彼らの将来に役に立つことであれば、スタイルガーデンで行う業務内容に一切関係のないことでも時間を割いて教育することもあります。
社会に出てからも活きる仕事観を養ってもらうために、仕事をするときには学生という肩書を使用して仕事をすることはありません。社会人という意識を持った状態で仕事を経験するからこそ、本当の意味での仕事観が養えると考えています。
僕は学生の頃、学生団体で社会人と接する機会がありましたが、学生という肩書を盾にして学生団体を運営していたため、実際に社会に出てからその経験は何の意味も無かったと感じました。そのため、スタイルガーデンでは、学生に一社会人としての意識を持ちながら一社会人として働く環境を提供しています。
環境のせいにはせず、自分の行動で環境を変える
—— 応援できる人材とはどういった人たちですか?
自らのアクションによって応援を生み出し、その応援によって自己実現を加速させることのできる人材を輩出することです。
「好きなことしかしたくない」という人も最近ではよく聞きますが、僕の考えとは似て非なるものです。自己実現を達成する可能性を高めるためには、自分のやりたいことが組織にとっても価値があり応援されるという状況を作っていくことです。新卒で営業に配属されて自分がやりたかったことではないと言い、全く成果を出さず本気にもならずに、自分は新規事業がやりたいんだと個人の希望だけを言うような話はよくありますよね。組織にとって貢献もせず応援もされない人が新規事業をしたいといってもできないと思います。それはただのわがままだからです。
社会は理不尽、不平等、不公平だと思います。しかし、それはある意味プラスな環境に自分を置くことができれば、自分次第でどれだけでもチャンスは降ってくるということです。チャンスややりがいは自分のアクションで生み出すことができると思います。
自分がチャンスを掴めないのは会社や上司のせいというように他責にすることはよくないと思っています。勝手に応援されるタイミングを待つのではなく、自分に矢印を向けて、自らのアクションによって能動的に応援を生み出すという意識が大切です。
成長できないのは自分ができる範囲の目標設定をして失敗しないようにしているからだ
—— 困難や失敗についてお聞きしたいです。
結果が出ていないにも関わらず「僕はやればできます」というような人がいますが、やればできるという人はほとんどの場合やれません。社会に出てからやればいいという人や正社員になってから本気でやると思っている学生は結構多くいますね。この思考は本当に悪いと思っていますが、実は僕も昔はそうでした。
中学時代、学力は学年2番でスポーツも1番か2番、野球部のエース、となにをやってもある程度できました。社会人になって1社目では最年少でエリアネージャーを任されるなど、なにをやっても苦労することはありませんでした。
しかし、ほどほどの環境にいるからそれほど努力もせずにほどほどの成果が出ているだけで、競争の激しいベンチャー企業などに行けば自分の力は通用しないのではないかと心の中では不安を抱えていました。今思うと通用しないと確信しながらもその考えに蓋をしていたという表現の方が正しいかもしれません。
――変わったきっかけは何ですか。
2社目は絵にかいたようなブラックなベンチャー企業(今はかなりホワイトになったようです。)でした。経営者に毎日2、3人お会いして、経営コンサルティング商材の渉外の提案をしていくというものでした。毎朝6時か7時に始まり、夜は終電まで働くという日々がほぼ毎日続きました。
初契約を頂いたタイミングは転職組の中では遅い方で、成績自体もなかなか出ず自分の力が全く通用しませんでした。不安がまさに的中しましたね。
その時に初めて、自分が本気でやっていなかったことに気づきました。この挫折経験は、それほど努力せずに何でもそこそこうまくいっていた自分が変わるきっかけとなり、自分ができないことを受け入れなければいけないと思うようになりました。
成長するためには失敗することが必ず必要です。ところが学生は失敗の経験をしたことのない人が多くいます。自分が失敗しないと言っている学生はそもそも失敗しないようなことしかやっていない、つまり自分ができることしかやっていないのです。
目標を立てるときに、自分の今の能力で達成できる範囲内でしか目標設定しなければ、今の自分以上の成長はないと思います。恋愛に例えると、傷つきたくないから恋愛をしない、フラれたくないから告白しないのと似てますね。
日常生活でも目標設定することは多いと思います。例えば、甲子園に行くためには強豪校でレギュラーを取ることが一番近道であるのに、そこだったらレギュラーを取れる可能性が下がるから中堅の高校でレギュラー取って満足してしまうみたいなものです。
これはレギュラーを取るということには失敗していませんが、甲子園に行くという目標の実現可能性は低くなり、成長の可能性を放棄してしまっています。
失敗は成長の種である
—— 2社目での困難な出来事をきっかけにどう変わりましたか。
2社目で自分の能力がないことが分かり、それを素直に受け入れてから仕事に取り組む姿勢が変わりました。また、周りの環境のせいにしないで自分の能力と向き合ってから自分の目指すものが変わりました。
自分の目指すビジョンは変わり続けるものだと思っています。知識がついて経験をして実力がついていれば、目線は絶対上がるものです。
例えば自分の会社で言うと、元々関西だけで始めたものでしたが今は広島にもありますし、そのうち全国に拠点を構えたいと考えています。そのために上場企業のグループ参画も決めました。
最初は関西の学生に対してのみ事業を行うつもりだったのが、今では日本全国の学生に自分たちの教育を届けることを目指しているように、目線は変わっていくものです。
また、成長していくと見える景色も違っていくので、今やっていることも将来変わることもあると思います。失敗を恐れず一歩を踏み出すためには、失敗した後にどれだけその失敗に向き合えるか、どうやったら成功確率を上げていくかを具体的に考えて次のアクションに繋げていくことが大切だと思います。
人によって成功と失敗の定義は違うと思いますが、失敗をしなければその時点での自分の現在地や限界を知ることができず、次にどのように成長していけばよいのか指標を見つけることができません。失敗しないような生き方をしていると、自分の能力値は止まったままだと思います。
成功確率を上げるためには失敗して何が足りなかったのかを明確にすることが必要です。今の自分の能力と、目標にしているものとの間のギャップは失敗するからこそ見えてきます。
――最後に、就活生へのメッセージをお願いします
結論、就職先はどこでもいいと思っています。
皆さんはアルバイトをしたことがあると思いますが、正社員として社会を経験したことはないからです。野球を一切やったことがない人に野球でどういうポジションをやりたいのかと質問しても答えがすぐに出てきませんよね。それと同じで経験したことのないことをいくら考えても答えは出てきません。
なので、まずは入った会社をいかに正解に持っていくかというところに矢印を向ける方がいいと思っています。
社会に出てからは納得のできないことはいくらでもあります。しかし、それに不満を言うというよりは自分の行動で自らの置かれる環境をどのように変えていくかに注力して動くことが大切です。その上でどうしても変えられない状況であれば転職をすればいいと思います。
そんなに肩肘を張らずに、「こんな会社いいな」で決めてしまっても問題ないと思います。結局僕みたいに二年で辞めている人もたくさんいますし、転職がいけないということはありません。直感で決めるくらいの勢いで会社に入り、その後に自分が選んだ道を正解にすると言うような気持ちで就職先を決めてもいいのではないでしょうか。頑張ってください。