①母集団形成のための工夫
「求人募集でなかなか人が集まらない。」「新卒採用の方法を改善しなければ。」このようにして悩んでいる採用担当者の方も少なくないでしょう。想定通りに応募者が集まらず、採用が長期化してしまうケースも多くあります。
思い通りの新卒採用ができていない原因の一つとして考えられるのが、“不十分な採用計画”です。そしてその採用計画において重要視されるべきものの一つが「母集団形成」になります。
母集団形成とは、自社と相性の良い応募者を集めることを指します。“相性の良い応募者”とは、自社の方針に興味を持っていたり、ターゲットとする人物像に合致していたりする応募者です。
たとえ多くの応募者が集まっても、内定を出すような人材でなかったり採用しても入社しない応募者であったりしたら意味がありません。
母集団形成を行うためには工夫された採用計画が必要です。特に「ターゲット」「伝える内容(応募者が得るメリットなど)」「求人を広報する手段」の3つを考える必要があります。
ターゲットや伝える内容は企業によって様々です。したがって、ここからは「求人を広報する手段」についていくつかご紹介していきます。
従来の母集団形成の手法
大切な資源“人材”を発掘する採用活動は、どの企業も長年力を入れています。長年企業はどのように母集団を形成していたのでしょうか。従来の手法「就活サイト」と「合同説明会」の2つを見ていきます。
まずは「就活サイト」についてです。インターネットが普及した現代において、就活サイトはメジャーな母集団形成手法と言えます。就職活動を行う多くの学生がサイトに登録していることから、学生に幅広く自社を認知してもらえる場です。
また、就活サイトによっては掲載することで学生を管理することができ、効率的に応募者管理を行えます。他にも、掲載内容に変更があればすぐに対応可能な点など、就活サイトにはメリットが多いです。しかし掲載者数が多く埋もれてしまう可能性が高いので、掲載方法は重要です。
次は「合同説明会」についてです。就活生全員を対象とするものから、女性や留学生、理系などの条件で絞り込んだ就活生を対象とするものもあります。
合同説明会の利点は、応募者に直接会うことで自社のアピールをしやすい点や知名度の低い企業でも興味を持たれるチャンスがある点などが挙げられます。
しかし存在感を示せなければ自社が埋もれてしまう可能性が高く、参加企業の少ない説明会にはそもそも応募者があまり集まらないという欠点があります。また、どんな成果であっても固定で50万~100万ほどの出店費用がかかるので要注意です。
新たな母集団形成方法
スマートフォンの普及により母集団形成にも変化が起き、採用担当者の工夫が必要になっています。ここでは近年出てきた母集団形成方法「SNS」「採用オウンドメディア」「Web説明会」についてご紹介します。
近年ではInstagramやTwitter、Facebook等の「SNS」を活用した採用活動が増加しています。コストを抑えて広く自社を認知してもらえる点や、学生とメッセージのやり取りを気軽に行える点が魅力です。
しかし、長期的に情報を発信し続けなければ効果がなかなか出ないかもしれません。またSNS同様、近年では自社の採用専門サイトを設置している会社が増加してきました。「採用オウンドメディア」とは、このような採用に特化したサイトを指します。
自社のサイトでは、就活サイトでは伝えられない企業の特色を示すことができます。また学生としても、企業の採用情報をスムーズに得られるだけでなく、エントリーの手順もわかりやすいので、人気の手法です。
しかし認知度の低い中小企業では、サイト設置のみだと多くの人に自社を広められずサイトへの訪問者も増やせないので、SNSとの連携が大切です。採用オウンドメディアではしっかりとした目的とそれに伴う手段が必要です。
採用オウンドメディアを支援している企業も存在します。ここでは未知株式会社をご紹介いたします。お困りの場合は1度ご相談してみてはいかがですか。
最後に「Web説明会」についてです。Web説明会は企業がWeb上で開催する説明会で、忙しい学生や遠方の学生も参加できることが利点です。会場を使用しないので、後片付け等が必要ないことが利点です。
②説明会にも工夫を
インターネットの普及とさらなる発展で、様々な場で説明会を行えるようになりました。説明会は、意欲のある学生たちに自社をアピールするとても良い機会です。
しかし、企業の中には学生たちが求めている情報を示すことができていないところが少なくありません。従来の説明会でアピールしてきたポイントだけでは、不十分な企業も少なくなく、工夫することが必要となりました。
それでは、従来の説明会の何が問題点で、何を学生たちは求めているのか見ていきましょう。
従来の説明会とその問題点
優れた人材や自社の雰囲気に合った人材を企業は求めています。そのような人材の志望先に自社が選ばれるよう、企業がアピールするのは当然です。自社が選ばれる企業になれるよう、従来多くの企業はどのような点をアピールしてきたのでしょうか。
多くの企業は従来、業界内の企業と比較した企業成績や業界内のポジションをアピールしてきました。採用活動において、ライバルとなりうる業界内の企業よりも優れていることを求人者たちに伝えます。こうして、多くの学生から自社を選んでもらおうとしていました。
しかし業界内の「企業成績」や「ポジション」だけでは、学生たちが知りたがっていることを網羅できていません。したがって従来通りの企業アピールを行っていると、欲しい情報が得られない企業として、学生の足が遠ざかる可能性があります。
では、今の企業説明会では学生たちはどのような情報を欲していて、どのような工夫が求められているのでしょうか。
学生が知りたいことを満たした説明会を
学生たちが知りたい情報は特に3つです。「仕事内容」「自社の弱み・強み」「求める人材像」の3つを学生たちは求めています。それぞれについて見ていきましょう。
一つ目の「仕事内容」は、特に学生が知りたがっていることです。自分が就職したあと、どのように仕事をしているのかイメージさせるためです。採用オウンメディアを通して、社員の1日を動画等にて公開している企業もあります。
二つ目の「自社の強み・弱み」を知りたがっている理由は“志望理由”にあります。就活において、学生たちは志望理由を考えるのに多くの時間を割きます。
「なぜこの企業に入社したいのか。他社と比べた時の魅力は何なのか。」などを決めるために、企業の弱み・強みは必要です。企業の弱み・強みを明確に提示することで、学生たちはその企業に対して考えをめぐらせるきっかけとなるかもしれません。
③採用担当者の仕事にも工夫を
求職者に自社をアピールし、入社を促すコミュニケーションツールである採用ツールは、採用担当者に対するメリットも多くあります。
従来、説明会へのリマインド業務として長時間費やしていたメール作成や電話は、ツールによってはほとんど不必要になりました。また、求人サイトからの応募者を一元的に管理することができるツールもあります。これらによって、採用担当者の仕事は大幅に時間短縮されています。
採用ツールの一つとして『LINE next』を最後にご紹介します。みなさんもご存知の通り、LINEは今や日本の若者の多くが利用しているコミュニケーションツールです。
学生たちはメールよりもLINEを活用しています。採用担当者はこれまで以上に気軽に学生たちとコミュニケーションをとれるでしょう。
様々な採用ツールを確認し採用活動を工夫することで、仕事の効率が少しでも上がることを願っています。