このままではいけない。求職者の企業認知度を上げるための方法
世の中に知られていない企業は、求職者に対する認知度を向上させるための方法として求人情報メディアなどを利用する手段を採用していますが、このような一過的な方法は費用に見合った効果が得られないのが実情です。
求人情報メディアなどのランキング上位を占めるような企業は、自らの費用で雑誌やTVなどのメディア広告を行なうばかりでなく、ニュースや報道番組のパブリシティ効果による効果も大きいといえます。
有名企業と同じような求人募集をしても、よほどの奇跡や偶然が重ならなければ効果が出るはずがありません。3~5年の長期スパンで社員教育のあり方・人事制度の見直し・離職の要因分析などと並行して、企業ブランドの価値を高める取り組みを行なうことが重要です。
そもそも応募がこない
継続的な人手不足でハローワークに求人募集を出してもなかなか採用できない中小企業がありますが、そもそも応募がこないのは求職者に求人情報が届いていないことが大きな理由です。
昔のようにハローワークしかなかった時代と異なり、現在ではPCやスマホから求人サイトや転職エージェントにアクセスすることで簡単に就職やアルバイト探しができる状況になっていることから、今後もますますこのような傾向が進んでいくと考えられます。
このような求人環境の変化に対応するためには、少なくとも企業のHP(ホームページ)を立ち上げ企業情報の発信と共に採用サイトを掲載することが不可欠です。
まずは多くの応募者に自分たちの会社を知って貰うことが重要であり、自社のHPを使って積極的に情報開示を行なうことが大事です。
自社にあった応募者が来ない
自社にあった応募者が来ない理由は、応募要項に記載している「業務内容が分かりにくい」こと、職務に求められる「スキルが高すぎる・幅が広すぎる」こと、他社の仕事と比べて「労働条件が劣る」ことなどが挙げられます。
自社のホームページなどで求人募集を行っても自社にあった応募者が来ないという事例が少なくありませんが、このような問題を解決するためには現状を正しく把握して的確な改善策を講じる必要があります。
採用活動で求人広告や求人サイトなどを利用する場合は、それぞれ業種・職種・地域などに得意分野や実績があるので、事前によく調査し自社の業務内容・雇用形態・労働条件などの適合性をしっかり見極めることが重要です。
ミスマッチが高まる
雇用のミスマッチが高まる原因は、マクロ的には大企業と中小企業との間の情報量の格差による、ミクロ的には企業と求人者との間の情報共有の不透明化による、といった2つの側面があります。
雇用のミスマッチとは、労働力の需給バランスが慢性的に崩れた状態をいいますが基本的には少子高齢化による慢性的な労働力不足が背景にあります。
中小企業が抱える雇用のミスマッチの解消には、マクロ的には大企業との資金力と知名度などの格差是正に取り組み、ミクロ的には組織風土や人事制度の改善・社会貢献活動へ取り組みなどを通した体質改善への取り組みが重要です。
求職者の認知度を上げる方法
求職者の認知度を上げるための方法の1つとして、顧客の購買行動を時系列で可視化するカスタマージャーニー・ファネルというマーケティング手法があります。
マーケティングファネルとは、消費者の購買意識の遷移を漏斗状に絞り込む分析方法をいい、逆三角形の底辺に位置する「認知」からスタートし「興味・関心」→「比較・検討」→「購入・申込」というステップを経るものです。
雇用の場に置き換えると消費者は求職者に該当することから、求職者の自社に対する認知度を高めることによって履歴書選考や面接審査の時間短縮や採用のミスマッチの防止にも有効な手段になります。
しかし、単に認知度が上がれば求める求職者が増えるわけではなく、ターゲットとする求職者に対して「企業の価値」を見える化することが大切です。
イベントに参加する
新卒者に対して自社の認知度を上げる戦略の1つとして、自社の商品やサービスをより身近に触れ合うことができる体験型マーケティング手法に基づいたイベント開催が有効です。
新卒者が体験型マーケティングのイベントに参加することのメリットは、出展している商品やサービスを肌で感じること以外に「体験した事柄」として印象に残す効果があります。体験型マーケティングの手法は、できるだけ継続的な実施の仕組みづくりが重要です。
体験型マーケティングは、新卒者が体験した事柄を他の誰かに拡散することによって自社の認知度を高める効果があります。体験型マーケティング手法は継続的なイベント開催によって得られる効果が大きい反面、多大な工数や費用を要する点がデメリットといえます。
求人を出し続ける
企業が求人誌やWebサイトなどを使って求人公告を出し続ける理由は、大きく「継続的な人員不足」と「より良い人材募集」という2つの側面があり、高離職率による慢性的な人員不足のケースがありますが、必ずしも高離職率が原因とは限らないケースがあります。
最近では、特にプログラマやシステムエンジニアを必要とするIT分野においては、人材の流動性が極めて高い業界や業種が出てきていますが、スキルと経験を得るための転職が当然の流れとなっています。
人材の流動性が高い業種では求人募集を出し続けることによって、さまざまな経歴を持つ人材層に求人募集でアタックできるチャンスが広がりますが、その反面、求人募集を出し続けるためのコスト負担の増加やマイナスブランディングになる可能性も否定できません。
自社の情報を発信し続ける
一般的な公告とは異なる方法によって顧客獲得や認知度を上げる方法の1つに、自社のHPやブログなどで情報を発信し続けるオウンドメディアを使ったコンテンツマーケティング手法があります。
最近は自社が所有し運営するオウンドメディアを活用した、ユーザー目線に立って有益な情報を重視するコンテンツマーケティングの有効性が見直されています。オウンドメディアのコンテンツの事例には、商品やサービス関連のコラム・技術力やノウハウのアピール・ユーザーとのQAなどがあります。
オウンドメディアで自社の情報を発信することによって、求人採用のミスマッチの防止効果のメリットがあります。ただし、明快で良質な情報を流すための維持管理コストが掛ること、効果が出るまでに時間が掛ることのデメリットがあります。
SNSや外部サービスの活用
オウンドメディア以外のコンテンツマーケティング手法には、SNSなどを活用するaアーンドメディアやポータルサイトなどを活用するペイメディアがありますが、それぞれ一長一短があるため自社にあった使い分けが重要です。
中でもFacebookやTwitterなどのSNSや外部サービスを活用するアーンドメディアは、低価格であまり費用が掛らず直ぐに始められるサービスがあることやユーザーと直接コミュニケーションが取れることがメリットです。
ただ、認知度を上げるのではなく自社の採用ターゲットに
人材ブランディングにおいて重要なことは、求職者に必要な資質や能力の絞り込みを行なうことと、採用に要する時間や費用などの基準を明確にすることです。
いつまでも「誰でもいいから来て欲しい」という間違ったメッセージを発信し続けることは、求職応募者が増えて採用のミスマッチの原因となり、延いては採用に掛る無駄な手間や費用の増加につながります。
採用ブランディングによって自社の認知度を高めるためには、少なくともHPを立ち上げ採用サイトの作成が不可欠です。困ったことがあれば、自社に合ったブランディングメディアに相談することも1つの選択肢です。