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【株式会社ワールドフォースインターナショナル 田上 修】「諦めなければ失敗など存在しない。」悲観的な学生に訴える人生論とは

2020/07/01

Profile

田上 修

株式会社ワールドフォースインターナショナル 代表取締役社長

1974年東京都町田市生まれ。高校卒業後に運送、建築業界を経て、経営の視点から運送業界での起業を着想するに至る。業界の体質や慣例を把握すべく自ら配送ドライバー業を経験した後、軽貨物運送会社である株式会社ワールドフォースインターナショナルを開業。開業するにあたって、ドライバーの方々が気持ちよく働くことのできる環境づくりに取り組んだ。
仕事に対する田上氏の思いに迫り、新型コロナウイルスという見えない敵と戦う就職活動生に伝えたいことを聞いた。

日本のヒーローになるべきドライバー

—— まず、運営されている事業の内容についてお話いただけますでしょうか。

当社が手掛けているのは運送関連事業になります。末端で一生懸命に働いている方々が日の目を浴び、夢を見ることができる業種業態のビジネスモデルとなっています。なぜ末端でドライバーとして働いている方々の業務が日の目を浴びないかというと、きつい、稼げないなどの悪いイメージのフィルターがかかっているからです。そのために報われない労働環境で働いている人が多くなっています。

私も13年前に物流関係の委託ドライバーを務めていましたが、労働環境はとてもひどいものでした。ボロ雑巾のように使われて使い捨てカイロのように捨てられる状態でした。13年間で改善はされてきましたが、まだそこに行きついていない会社も多く、トラブルが起こるとドライバーの責任にされています。

しかし、トラブルが起こるということは100%その人だけの責任ではなく何らかの原因があると思うので、しっかりヒアリングして本質的な原因を突き詰めないと同じ事が何回も起きてしまいます。このような現状があることを、世の中に理解してもらいたくて今のビジネスモデルになっています。

――田上さんにとってドライバーはどのような存在ですか。

ヒーローです。コロナの状況でも必死に働いていますし、医療従事者に比べるとピックアップされませんが、末端で働くドライバーも、何ら変わらないライフラインを過ごしていただくための最後の配達というところで感染のリスクを背負いながら働いています。そういったドライバーの方々を敬服していますし、ヒーローだと思っています。

本来ならばもっと憧れを持ってもらえる職業であり、経済を支えている大元であるにもかかわらず、なぜ後ろめたい言葉が飛び交うのか、違和感を持っていました。その部分の改善していくことも事業として行っています。

改善するためには、世間の悪いイメージを払拭したいと思ったので、我が社ではマッチングという概念を世界で初めて発案して経済産業省にも申請を出して経営革新の承認も得ています。ソフトウェアのマッチングという概念の特許も取っていますが、特許を持っているからと言って我が社が独占したいわけではなく、すべては末端で頑張っているドライバーへの立場や立ち位置を守るために特許を取得しています。ドライバーにも人権がありますし、尊重されるべきだと考えます。守られるべき人が守られるべき権利の中で、頑張った分しっかりと認められるための事業をしています。

――事業や仕事をしていくうえで気を付けていることは何ですか。

仕事の中には2種類のタイプがあって、生きていくために仕事をするタイプと、どうせ仕事をするのであれば大きい志を持ってしたいと思うタイプ。この二つのタイプの人間に分かれ、この2つ共に、過程として憧れが入ります。

一番ダメなのは、ピュアな心を忘れて憧れをなくしてしまうことです。今の社会は頑張っている人が報われないので、子供の時に持っていたピュアな心が崩れ去ってしまいます。なぜなら、会社の利益のために犠牲になってしまう従業員の方もいるからです。我が社にもこの二つのタイプの従業員がいますが、両者ともにピュアな心を持ってもらえるように心がけて事業をしています。

諦めない限り存在しない「失敗」

—— 事業をしていくにあたって、どのような失敗がありましたか。

私は失敗をしていると思ったことはありません。私の思う失敗とは諦めることです。上手くできるまでやり続けたらそれは失敗ではなく経験です。なぜ、上手くいくまでやり続けられるかというと私はピュアだからです。常に憧れを持っているので諦めることができません。諦め癖のある人はピュアに何かを目指すようにしましょう。

失敗したからダメではありません。失敗という言葉は存在しません。存在しない言葉を作ってしまうから人は恐れてしまいます。それは起こっている出来事に勝手に意味をつけているだけです。なぜ意味をつけてしまうかというと経験がないからです。だから人は前に進み経験値を積んでいくしかないのです。なぜ迷うのか、なぜ足が止まるのかは、経験がないことへの恐怖しかないのです。駄目でもいいのです。駄目だから「このままではいけない」ということを学ぶことができます。

――その時駄目でも、次に生かすことができる考え方は何ですか。

今日が駄目でも明日は来ます。そこをマイナスに捉えるのではなくて明日が来る、次があるという風に考えるようにしています。我々人間に共通していることはいつか必ず死ぬということです。いつか必ず死ぬなら今できることを駄目でも全力でするように考えています。駄目を認めて駄目なまま成り下がることはいけません。そうならないためには自分なら乗り越えられるという気持ちを持つことが大切です。

人生も会社も必ず浮き沈みがあります。沈んだ時には自分を見直すようにします。見直すことで、自分の欠点に気づくことができ、スタート地点よりはいい位置にいられるようになります。

人生も会社経営も正解はありません。正しいやり方も無限でそこに行きつく道のりに正解はありません。これは人生も同じことです。存在しない「失敗」という言葉に恐れるのではなく、駄目でも前のめりに挑戦を続けましょう。

今の状況下で戦う姿勢が将来の支えに

—— 最後に、学生へのメッセージをお願いします。

新型コロナウイルスの状況で大変な思いをされている就活生や、内定取り消しになった方も多いと思われます。逆の立場になると「辛い」の一言では言い表すことができないです。

この大変な状況に侵されているのは前に進んでいる証拠です。就活をしていない人はこういう心境もなっていません。何かに挑戦しているということは必ず壁が立ちはだかるということです。その壁が高ければ高いほど乗り越えるのは困難ですけど、その壁は必ず人生において乗り越えなければいけません。今回の新型コロナウイルスという壁はかなり高いですが乗り越えた先に人生の経験値として心の支えになります。

皆さん悲観的に物事を捉えないでください。失敗ということはありません。皆さんが失敗と思っていることもすべて人生の糧になります。プラスしかありません。そこに偶然新型コロナウイルスというものが重なっただけです。逆に言うと若いうちに経験できたと思えばプラスになります。

若さは財産です。私は今年で46歳ですが若返ることはできません。そして若い皆さんも46歳の私も必ず人生の最期の死があります。死ぬことが決まっているのであれば、それまでもがき苦しんで一生懸命前向きに生きたほうがいいです。

コロナウイルスの影響で就活が上手くいかず駄目だと思うこともあると思います。ですが駄目でいいのです。駄目な自分を認めて駄目な自分を克服していきましょう。一つ一つ克服していった先に幸せがあります。

諦めなければ失敗ではありません。就活生の皆さんを心から応援しています。最後の最後まで頑張りましょう。

株式会社ワールドフォース インターナショナル

設立 2011年7月
資本金 7,600万円(令和元年6月)
売上高 2.470百万円(平成31年度 売上高)
従業員数 非公開
事業内容 一般飲食及び店舗・運送事業・インターネット関連事業
URL https://wfi.co.jp/
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