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【株式会社Reinno 岩上 開人】やるならその道を極める。好きなことをして生きていくための考え方とは

2020/06/04

Profile

岩上 開人

株式会社Reinno 代表取締役

学生でありながら、Webサイトやアプリ開発の案件を受諾し、エンジニアとしてのスキルを培いつつも、2018年12月に株式会社Reinnoを設立。飲食店向けのサービスで事業を展開するも、断念。そこから自分の好きなことであるアイドル領域へと事業をシフトチェンジ。失敗の捉え方によって、世間からすれば失敗であることもそうで無くなってしまう。そんな考えを持つ岩上開人氏の人生、価値観について伺った。

好きなことをして生きていこう

—— 株式会社Reinnoでは、どのような事業をされているのですか?

事業は、主に3つしています。1つはアイドルのプロデュースです。2つ目はidolchatという、チャットサービスです。3つ目が、現在新しく作っているもので、もう少しすれば情報を出すという状況です。

1つ目のアイドルのプロデュースについて話すと、現在アオハルクエストというユニットをプロデュースしています。ファンの方のグッズ購入を全てオンラインで行う形式にし、いくら購入されたのかを可視化しています。

可視化したものを、アイドルユニットの経験値に転換し、育成RPGのようなコンセプトでアオハルクエストというユニットをプロデュースしています。

2つ目のidolchatというチャットサービスについてなのですが、idolchatは2020年の4月にリリースしました。これは、アイドルとファンの人が一対一でチャットができるというサービスです。それに付随し、画像やボイスを販売する機能もあります。

現在、コロナウイルスの影響でライブ活動ができず、アイドルとファンの方がリアルで会うことができない状況です。この状況は、アイドル業界全体が抱えている課題なので、オンラインでコミュニケーションを取ることができるツールを提供しようと思い、リリースしました。

――最初、株式会社Reinnoでは飲食店向けのサービスをされていたとお伺いしたのですが、なぜ辞められたのですか?

そもそもなぜ飲食業界の事業を始めたかというと、起業したいという気持ちが先行している中で、起業する人たちが集まるプログラムに参加し、アイデアを探そうというワークをした時に、元々僕は飲食店でバイトをしており、人手が足りなかったことを思い出しました。

それならば、人手不足が解消されるビジネス策が有効的なのじゃないかと思い、2018年に株式会社Reinnoを立ち上げました。当初は飲食店向けのWebサービスをしており、内容としては、飲食店の中でお客様のスマートフォンで、料理の注文から支払いまでできるというものでした。

大きな会社と提携の話が進み、資金調達を目前にしている段階だったので、事業はうまくいっていました。しかし、アプリを作って飲食店に営業をかけていくタイミングで、どの飲食店も、飲食店の中でお客様のスマートフォンで、料理の注文から支払いまでできるサービスを導入していただけませんでした。

エンジニアを月々3人ほど雇っており、お金も出ていっていました。そこで、何のためにこの飲食事業を継続していくのかわからなくなり、継続することが苦難になっていきました。

そのタイミングで、同業他社のスタートアップが、大手から30億円ほど引っ張ってきたので、これはもう太刀打ちできないと思い、それをきっかけに飲食事業を辞めました。

――そこから、アイドル領域にシフトチェンジした経緯をお伺いしたいです。

たまたま僕が所属していたMAKERS UNIVERSITYの先輩経営者の一人が、好きなこと、やりたいこと、かつそれが社会に役立つこと、ビジネスとして成立することをするべきだという話を聞いて、自分の好きなことはなんだと思い詰め、結果的に行き着いたのがアイドルでした。

好きなアイドル領域に踏み込むことによって、周りからの目も変化しました。「目がキラキラしているね」「勢いあるね」そういう風に言われるようになりました。

僕自身も、好きなことをやっていることによって、仕事が楽しめていました。楽しいと、さらに仕事が進むので、スピード感を持って仕事ができていました。

失敗の捉え方

—— 事業をされている中で、失敗はされましたか?

世間のイメージする失敗はたくさんしていますが、本質的な失敗はしていません。強いて言うなら、起業した頃の飲食事業が少し失敗しました。

最終的に成し遂げたい事があれば、達成する過程で事業が失敗しても最終的な目標に対しては失敗していないという考えがあるため、本質的な失敗はしないです。

逆に、自分がこれを成し遂げたいというビジョンがない場合、最終的な目標がないためその場その場で巡り合わせた課題に対して、成功か失敗かという結果が出てしまうので、どうしても失敗してしまいます。

僕は当初、起業して成功するという漠然とした目標で飲食の会社を起業したので、僕自身が最終的にこういうことを解決したいと思える、追い続けられるような大きい目標というものがありませんでした。途中の細々とした資金調達や営業目標しかなかったので、それが達成できるかできないかという考えに至ってしまいます。

そうではなく、今の僕でいえば、アイドルとファンの方々を僕らの会社によって幸せにするという大きな目標があり、1人でも僕らの会社のサービスによって幸せに感じていただければ、それは達成できており、ずっと追い求めることができます。

こう考えることによって、世間的なイメージの失敗はいくらしたとしても、結局自分の中で失敗することはありません。

また、起業にはリスクがあるとよく言われるのですが、僕の中では起業が一番失敗しない自由な挑戦だと思っています。自分でゴールを決めることができ、そのゴールを追い続ける限り、本質的な失敗はしないからです。

逆に、サラリーマンなどは、他人からの評価によって昇進するため、他の人から評価されるのが目標になってしまい、どうしようもない原因によって失敗してしまう可能性もあります。

飲食業界からアイドル業界に事業をシフトチェンジしたことによって、僕に失敗はなくなりました。

やるなら最後までやる。

—— やるなら最後までやるという思いは、どのような経緯で持つようになられたのですか?

生まれつきの部分もあると思います。ただ、強いて言えば、高校の時にサッカーをしていたのですが、怪我で挫折し、グレている時期がありました。その時周りからの接する態度も変わってしまって、このままではダメだなと思い、そこから見返してやろうという気持ちが生まれました。

その見返してやろうという気持ちがきっかけで、上を目指す人間性が生まれました。最後までやり抜くことは、極めるということで、何事も極めないと成果が出ません。

成果を出さないと何の意味もないということに気づいたのも、やるなら最後までやるという思いを持ったきっかけですね。

元から、やるならきちんとやるということを根本に持っていて、さらに自分の満足する基準が高いので、多少結果が出てもあまり満足しません。常に上を目指しています。

実現したい目標ができた時が飛び出すタイミング

—— 学生時代のお話についてお伺いしたいです。

僕は進学校に通っていたのですが、決められたことに対してただ沿って生きていくのがダサいという考えがありました。

進学校では、学生側も先生側もいい大学に行くことが当たり前という雰囲気が漂っているのです。しかし、いい大学に行って成功したという人を見たことがなく、ただ、大きな企業に入るための通過点でしかないなと見えていました。

さらに、サラリーマンで働いている人の中で輝いている人なんていないと高校生の自分は思っていたので、進学校からいい大学に進んだとしても、人生見えていて面白くないなと思い、言われたことに沿って生きることに疑問を持ちました。

ただ、本当にやりたいことがあって、それを達成するには、現状の周りに合わせて、要領よくいい大学に入ることは必要なのではないか、と最近は思います。

周りに合わせつつも、やりたいことや達成したいことがあるという信念は持っておき、今だというタイミングが来た時にレールを飛び出すイメージですね。これは大学に入ってからでも、企業に入ってからでもです。

チャンスがあればいいのですが、チャンスがない状況で、ただ周りに沿って生きるのがダサいと思い、反発していると、周りからすればイタイ人になってしまいます。

それでもいいのですが、本当にやりたいことがあるのであればそれは勿体ないと思います。チャンスが来るまで待ち、チャンスが来たタイミングで飛び出す方がいいと僕は思います。

なぜなら、勢いで飛び出してしまうと大体失敗するからです。やりたいことをできている自分が良い、そういう上部のところだけ反発して飛び出していたり、上部のところだけで憧れて飛び出していたりしている人が、チャンスが来るのを待たずに飛び出している傾向にあると思います。

ちゃんとした目標がない人は、飛び出してしまっても、我が道を進んで成功している人に比べて、失敗します。そうなった時に、自分で軌道修正するのが難しいと思うので、それならば自分が本当に実現したい目標ができ、自分で実現できるビジョンが見えた時に、飛び出した方がいいかなと僕は思います。

むしろ、自分の信念を持ち続け、気づいたら飛び出していた、それくらいの方が僕はいいと思います。僕は、自分自身で飛び出した感覚はなく、気づいたらレールを外れていました。

周りの目は気にせず、飛び出してみることも大切

—— 学生へのメッセージがあればお願いします。

みんな周りの目を気にしすぎだということを伝えたいです。真面目な人ほど、周りから期待されていると思うのですが、実際みんなそこまで期待はしていなくて、自分がどうなろうとそこまで関心はないと思います。

周りから期待されている、ということから作られるプライドがあると思っていて、そのプライドは必要ないと思います。自分がやりたいことをやる、そういう本質的なプライドだけ忘れずにいれば、失敗を恐れずに何でもやりたいことできると思います。

また、本当にやりたいことがあるのならば、実際に市場に出す、やりたいことに対して一歩でも踏み出すということは大切ですね。

こういうことをやりたいと言っているだけならば、それが周りから評価されたとしても社会に全く変化がありません。それは机上の空論に過ぎず、実際市場に出すことによって、微々たるものでも社会は変わりますよね。

そうすると、自分が描いている目標に対して少しは近づくことができると思います。

株式会社Reinno

設立 2018年12月
資本金 1030万円(2019年6月末現在)
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 情報通信
URL https://aoharu-quest.jp https://idolchat.jp/ https://twitter.com/otaku_shacho
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