MiraError(ミラエラ)

【株式会社CryptoGames 小澤 孝太】「やらない方が後悔する」ゲーム市場の新時代をつくる原動力とは

2020/05/07

Profile

小澤 孝太

株式会社CryptoGames 代表取締役

中学生のころからゲーム中心の生活を送る。大学に入り自らファッションブランドを立ち上げるも事業としてうまくいかず、卒業後はサイバーエージェントに入社。多くの新規事業の立ち上げに取り組む中、ブロックチェーンゲームと出会う。当時まだ日本には無かった新しいシステムのゲームに可能性を感じ起業する。CryptoGamesはブロックチェーンゲームやその関連サービスの開発・運営を主に行い、業界の先駆者として市場を大きくすべく奮闘している。新しいゲームの時代をつくる小澤孝太氏に、起業に至るまでの経緯やその原動力を聞いた。

ゲーマーでも社会的に認められる世界に

—— ブロックチェーンゲーム事業を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

元々、中学生の頃からゲーマーで放課後や休日も家に引きこもってゲームばかりしていました。ゲームの中で初めて友達ができたり、ゲームが強いことで人から認められたりと、人生の最初の成功体験はゲームの中でした。一方で、家族からはゲームばかりしていることを蔑まれてきました。その時、自分自身の中でゲーマーであっても社会的に認められる世界を実現したいという思いが芽生えました。

大学卒業後、サイバーエージェントに入社しました。サイバーエージェントで働いていた頃に自分で新しい事業ができたことはよい経験だったと思っています。ただ、どこまでいっても事業は100%会社のもので自分の事業になることはないことにジレンマを抱えており、自分の名前で自分のやりたいことをやりたいという想いがありました。

そんな時、ブロックチェーンゲームに出会いました。ブロックチェーンゲーム上では手に入れたカードを交換したり売ったりすることができます。今までゲームでできなかったお金を稼ぐということができるようになりました。

これまでのeスポーツの事業は一人が大会で優勝して1億円稼ぐスタイルでしたが、ブロックチェーンゲームの場合、少額ずつではありますが多くの人がゲームを通してお金を稼ぐことができます。ゲーマーの社会的地位向上に最も近道なのはブロックチェーンゲームだと考え、起業しました。

当時ブロックチェーンゲームというものが日本にありませんでした。ここ数年で3,4ゲームほど出てきてはいますが市場はまだまだ小さく、みんなで協力しながら新しい文化を作ろうとしています。

自分の人生において世の中に残せるものをつくりたい

—— これまでの逆境経験を教えてください。

大学生の時、一度起業をしました。2回生から休学を挟み、卒業するまでの4年間、ダブルスクールやインターンで服について勉強し、原宿にアパートを借りてファッションブランドを展開していました。

有名アーティストの衣装を作成したり、ほぼ毎日仕事と向き合っていました。しかし、事業としては全く回らず、収入の無い状態でなんとかもっている状況でした。金銭的にも苦しい生活をしながらの4年間でした。

――大学生の時に起業しようと考えたのはなぜですか。

幼少期、親が厳しかったこともあり、自分は何のために生きているんだろうと考えることがよくありました。中学生のときゲームの世界で認められたことをきっかけに私が出した答えは、自分が死んだときに世の中に残せるものをつくりたいというものでした。そのころから、常に自分の人生の中で早く結果を残したいという気持ちがあります。

中学生の頃から、チャレンジすることにリスクはない、チャレンジすることよりもチャレンジしないで後悔するほうがリスクだという考えが自分の中にありました。そして、高校生の頃周りの子と同じようにファッションにはまり、まずはやりたいことはやってみようと思い、起業しました。 

――CryptoGamesを起業してから苦しかったことはありますか。

毎日苦しいです。目標に対してうまくいくことは基本的にはないので、理想や目標と現実とのギャップに常に苦しんでいます。

最初にゲームサービスを開始したとき、ブロックチェーンゲームに対するイメージが悪かったこともあり、「詐欺なのではないか」「怪しい」と言われました。私の自宅までさらされる状況に陥ったため、ユーザーの方に売り上げを返金して一度ゲームのサービスを終了することになりました。その時はさすがにメンタルがやられてしまいました。

会社をやり続けるかどうかとても悩みました。しかし、やっぱりここでやめたら一生後悔すると思いました。その時は事業としては当たらない可能性の方が高かったので怖かったですが、中途半端な状態で終わらせることも嫌だったので、半年間でなんとか形にして再開しました。

正直、諦めようとも考えていました。ですが、他にブロックチェーンゲームを立ち上げているベンチャーの方やその出来事きっかけで連絡してくださる方々から多くのご支援をいただき、なんとか事業を続けようと思うことができました。

その中でも特に心に残っている言葉があります。資金調達のために伺った会社でこれまでの経緯などお話させてもらったとき、「薄氷だね」つまり望みがない事業だとはっきり言われてしまいました。それでも資本金を出してくれることになりました。可能性のない事業であるにもかかわらず、やらない方が後悔するという私たちの想いに共感してくださったのです。そのことが大きな支えになりました。

チャレンジにはリターンしかない

—— 様々な経験を積んできた小澤さんから、人生の先輩として学生へメッセージをお願いします。

私の考えは一貫しているのですが、やはり人間いずれ死ぬので、チャレンジするリスクよりもチャレンジしないでそのまま死んでいく方がリスクだと思っています。実は、チャレンジするのにはリスクはありません。もちろん失敗するのが怖いとか、トラブルになるのが怖いとかそういうものはあると思います。でも、日本にいる限り死ぬことはないし、経済的に借金を負うこともありません。チャレンジすることにはリターンしかありません。

ただ、ひとの価値観によるので、一生安泰に暮らすことが幸せだという人はそれが幸せだと思います。でも、何かやりたいことがある、実現したい世界があるというのならば、チャレンジしない時間の方がもったいないと思うので、すぐにチャレンジしてほしいです。

失敗することが恥ずかしいと考える人もいると思います。私も、昔は人の目を気にしてしまう学生でした。でも、短期的に見れば恥ずかしい経験であったとしても、中長期的な視点で見ればいい思い出になることもあります。その時周りにいろいろ言われたとしても、長い人生で考えればたいしたことではありません。

また現在、終身雇用もなくなり大企業でも潰れる時代になってきています。大企業に入って自分のスキルがステップアップしないまま会社が倒産することは、自分で生きる力のない人にとってはかなりのリスクだと思います。常に自分で生きていく力をつけていくことがとても重要です。

その方法はなんでもいいのです。ちょっとずつツイッターのフォロワーを増やすでもいいし、趣味でプログラミングを始めるでもいいし、興味のあることを少しずつ経験してみる。その中で自分に合うものがあれば専門性を高めていけばいいと思います。

何を幸せとして生きるかはひとそれぞれだと思います。大企業に入ったからといって必ず幸せになれるとは限りません。すぐに転職した人、お金のためだけに働いているような人もたくさんいます。周りの目を気にすることなく、自分自身に会った生き方をしてほしいと思います。

CryptoGames(クリプトゲームス)株式会社

設立 2018年4月
資本金 73,000,000円(準備金含む)(2020年4月現在)
売上高 非公開
従業員数 非公開
事業内容 ブロックチェーンゲーム 及び関連サービスの開発・運営
URL http://cryptogames.co.jp/
この記事が気に入ったら
いいね ! しよう