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【ライムズ株式会社 平 将貴】「ネガティブ風ポジティブで石橋を叩く」いかに自分ごとにできるかが分かれ目

2019/09/29

Profile

平 将貴

ライムズ株式会社 代表取締役社長

新卒で入社した代理店にて営業の手腕を発揮、グリーなどでアプリのプロデューサーを経て、平将貴氏は株式会社メタップスへ転職し後に代表取締役に就任。現在はライムズ株式会社の代表取締役として経営や人事コンサルティングを行いつつバスケットボール選手の育成、現役プロ選手のマネジメント等、スポーツビジネス推進を手掛けています。具体的には、スタートアップ企業などの経営コンサル及びコーチング、ハンズオンによる経営支援と、総合代理店と連携したプロモーションなどのマーケティングでの支援や、B2B支援として、豊富な経験を活かしたメンタリングを進めています。
順風満帆に思われる平氏のマインドを培ったのは、大学受験で失敗した浪人時代の深い自己内省があったからでした。

「将来はバスケットに関わるビジネスを」と漠然と思っていた

—— 現在はどのような事業をされていらっしゃるんですか?

主に今の事業は2つに大きく分かれていて、経営コンサルティングとスポーツ事業を行っています。後者に関しては、選手の育成やマネジメント、スポーツをエンターテインメントとしていろいろな人たちが集えるような場を作る形で、オンラインでサロンをしたりメディアの運営をしたりしています。

—— 元々いつかは自分の会社を持ちたいとか、社長になりたいみたいなものはずっと持ってらっしゃったんですか?

そうですね。サラリーマンを10何年しましたが、働き始めて1年も経たないうちにサラリーマンに向かないとわかりました。同じことをずっとやり続けるたりやらされ続けることには、たぶん向かないなって思いました。「将来はバスケットに関わるようなビジネスをやりたいな」と漠然と思っていて、経営者として独立する方が選択肢としてはプライオリティが高いなと考えていました。でも自分には何も武器がないんで、何か武器作ってからそういうことやりたいなっていう風に思っていました。だから「バンジージャンプを飛ぶ前」という準備期間みたいなものが、僕にとっては10数年かかったんです。

ネガティブ風ポジティブ

—— 「バンジージャンプ」ですか。自分一人だとバンジージャンプで失敗しても自分が苦しいを我慢すればいいだけかもしれませんが、お子さんなどご家族がいらっしゃると、そうした失敗の不安や懸念はあったのではないですか?

結論から言うとなかったです。

たぶん基本的にびびりなんです。就活してるときから言っている「ネガティブ風ポジティブ」というのがあるんです。すごくネガティブだと思われることがあるんですけど、元来根がポジティブなんだと思います。絶対に成功させるためにまずネガティブな要素を全部出す人なんですよ。リスクがあっても、それを限りなくテーブルの上に出して、潰せるものは事前に潰して進みます。後は「石橋を叩いて早く渡る」ですかね(笑) 

潰せるものをとことん潰した後は迷うことなく意思決定しますね。

そういう自分の性格をよく分かっているからこそ、自分の使いどころも良く分かるのだと思います。

自由なのが若い人の強み

—— 私もそうだったのですが、若い方には自己分析が苦手な方もいると思いますが、アドバイスなどはありますか?

自己分析が苦手っていうのは、たぶん若いという部分が少なからずあると思います。良くも悪くも単純にインプットの量が少ないということです。つまり経験ですね。

たとえば「今の若いもんは」って言う人達はインプットとして経験の量が多いから、「次はこうなるパターンが多い」っていう予測を導き出して指摘してくるだけなんです。でもその人の時代ではその方向性がよかったのかもしれないけど、今は違うかもしれない。そうした若い人とそうでない人との違いって、前提としてたぶん時代だったり市場っていうものあるんですよね。

たとえば儒教の本とかユダヤの本とかいろんなこと読んでも、原理・原則・本質ってあんま変わんないんですよ。昔から場所も関係なく、本質は変わらない。右は右だし、左は左だみたいな話は変わらない。美醜の価値観が時代によって変わるように、時代や市場がによって右が正しかったのか左が正しかったのかが変わるだけだと思います。

でも若いうちって右でも左でもぶっちゃけいいと思うんですよ。自分自身一人だけだったら、進みながら決めればいいんです。でも部下ができたり社員や家族が増えたりすると、一人で意思決定するだけじゃダメになります。総合的に考えて右なのか左なのか決定しないといけなくなりますね。でも若いうちっていうのは体一つなので、自由がききますよね。だから判断をするだけの武器に乏しいっていうのは、ある意味若い方の強みだと思います。

大学を浪人して自己内省 「みんなと楽しんでたら薄っぺらくなってた」

—— なるほど。平社長も若い頃を経て今に至ると思いますが、そうした中で経験した大きな失敗とかミスはありますか?

僕の中では人生のターニングポイントは受験に失敗したことなんですよ。

—— 大学受験ですか?

そうです。僕は現役でそれなりの大学受かってて、蹴って浪人してそれより偏差値の低い大学に入るっていうギャグをやってるんです(笑)

—— (笑)

結局そこからバスケに振り切ることができたので、僕はよかったんですけど。でもその18歳から19歳の1年を、自己分析に相当充てたんですよ。それが今の自分の「安心しない、驕らない」というマインドセットの根底にあるかもしれません。もし10代に受験もうまくいってみんなと同じように楽しんでたら、たぶんもっと薄っぺらい人間になってたんだろうなと思います。

でも似たようなことってたぶんみんなあると思うんですよね、何かしら。そうした失敗に対して向き合うかどうかはすごい大切かなと思っています。でも失敗を周りのせいにするケースも多いんですよね。ただ僕は「自分の勉強の仕方が悪かったんだろうな」とか、「本番に弱かったんだろうな」と、自分のせいとしか思わなかったですね。

違う職場でも「あのメンバーとなら」を重視

—— 適切なアドバイスをくれる人はいなかったのでしょうか?

残念ながらいなかったですね。

あと、アドバイスしてくれる人がいないっていうのは、社会に出るとすごくよくあることです。学校だと先生がいて先輩がいますよね。レベルの高い環境にいればいるほど成功確率が高まるっていうのは、そうしたアドバイスをしてくれる人がいる環境があるからだと思っています。その一方で社会人になると突然その確率が下がるのは、いわゆるメンターと言われる人達が社会人に対してぜんぜんいないからです。

サラリーマンとして会社にいて昇進していくためのシステムがあっても、社会で生きていくためのメンターってそんなにいませんよね。スポーツのプロ選手とかって特にそうで、社会人として組織の経験やお金の勉強、ビジネスの勉強をしてきてるわけではないんです。その中でいろいろな人達に対してメンタリングできるっていうのは、すごく性に合ってるなと思います。それにIT業界みたいな速度が早い業界だと、3年後に同じ会社が業界のトップであり続けられるかなんて不確かな世界なので、最終的に自分頼りになるじゃないですか。

たとえば前職のとき、会社にコミットしてくれる人達がいました。それはすごくありがたいことなんです。でも僕は10年後でもそのメンバーたちと、それぞれ違う職場で違う仕事をしていても、「ああ、あのメンバーと一緒にやるんだったら成功確率上がるだろうな」って思えるかを僕は重視しています。だから会社にコミットすることが最善とは限らない。個として自分を高める気持ちを持っていかないと、これからはつらくなるかもしれませんね。若い人達にはそういうマインドを特に持ってもらいたいなと思います。

自分の選択肢を増やし、意思決定を思い切りできるように

—— ありがとうございます。それでは最後に、若者に向けてのメッセージや最後に伝えたいことをお願いします。

今って情報があふれてるので、迷いまくると思うんですよね。でも誰でも手に入れられる情報はあまり重要ではないと思います。本質的な部分で、直接会って話したいとか、直接行動を起こして自分で経験することが大事です。ごはんの味と一緒で、食べログの点数だけで評価をしない。逆に食べログ3.1とか3.2ぐらいの店の方がめちゃくちゃいい店多いみたいな話です。

いい意味で疑う部分は持った方がいいかなっていう気はします。なんでもかんでも人を疑うってことじゃなくいい意味で疑って、その疑いが晴れるように自分で行動していく。その行動が結局、自分が意思決定しなきゃいけないときの糧になると思います。

僕の経営のメンターの人がよく言ってたんです。「選択肢はできるだけ増やしなさい。いろんなことをやって。」って。増やせば増やすだけ、道は広がりますよね。その一方、選択肢を増やすって努力もしないといけないですし、そうすると自分の幅もできることも広がるじゃないですか。広げた上で最後、「じゃこの道行こう」と思ったらズバッと決定する。そこに努力を惜しまない方がいいなって思います。そしていろんな人に会って刺激を得たらいいんじゃないかなと思います。考え方は違って当たり前なので。

この人がいいなと思えばついていってみるのもいいと思います。最初は身近でリスペクトできそうだなって思う人に、とりあえず期間決めてついていくとかがいいんじゃないでしょうか

 

ライムズ株式会社

設立 2017年1月23日
資本金 非公開
売上高 非公開
従業員数 8名(業務委託含む)
事業内容 経営コンサルティング事業 デジタルマーケティングコンサルティング事業 アプリ/Web制作運営事業 タレント/アスリートマネジメント事業
URL https://rhymes-inc.com https://www.facebook.com/rhymes.inc.jp
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