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【株式会社グローアップ 仲真 良広】常に自分の限界を広げてきた株式会社グローアップの社長が語る「最も成長できる環境」とは?

2019/09/28

Profile

仲真 良広

株式会社グローアップ 代表取締役社長

1983年千葉県生まれ。中学高校では野球でプロを目指し、大学で肩を壊してからは飲食店のアルバイトに週7で没頭。2006年に神奈川大学卒業後、世界で最大のシェアを誇る外資系ヘッドハンティンググループに入社。当時最年少コンサルタントリーダーとしての活躍を経て24歳の2008年2月に独立し、株式会社グローアップを設立。現在はヘッドハンティングの手法と登録型の手法を組み合わせた人材紹介の仕組みを提供。大学生のためのキャリア支援にも力を入れており、2013年9月には学生の就活状況をシェアできる日本初のスカウト型Webサービス『キミスカ』をリリース。

新卒採用市場で革命を巻き起こした国内No.1規模ののダイレクトリクルーティングサービス

—— 株式会社グローアップの事業内容を教えてください

大きくいうと人材の仕事をしています。2つに分けて説明すると、新卒のためのスカウトサイトの「キミスカ」で、こちらのサイトが売上の6割5分を占めています。もう一つのほうが中途の人材紹介で、主に飲食店をメインに行っています。

もともと私が外資系のヘッドハンティング会社からスタートしているので、中途のヘッドハンティング会社から始まって、そこから3年ほど立ってから新卒の紹介事業をはじめました。その新卒の紹介事業でもっと面白いビジネスができないかな、と思って「キミスカ」というサービスを開始しました。

就活生って色んな会社に選考に行くじゃないですか、遠方まで何回も選考を受けに行くことも少なくないんです。そこまでして結局最終面接で不採用になると、そこまでの努力が無駄になるっていうこととイコールなわけですよ。

しかし一方で、そういう情報はすごく有益で、「大手の会社の最終選考で落ちました」っていう子って、もうある程度の素養はあるわけなんですよ。しかも最終選考で落ちる理由って、その子が優秀じゃないからとかではなくて、単純に会社の色に合わなかったり、ちょっとうちの会社にとってはトンガリすぎてるとかそんな理由なんですよ。

僕達で言うと、そういうトンガッた人たちが好きなので、そういう人を採用したいと思う会社もあるわけです。そういう会社にとっても学生にとっても有益なマッチングを行えるように考案したのが「キミスカ」です。学生は今までの選考が活用できる利点と、採用したい会社は、他社の採用段階から判断して、マッチングのギャップを減らすための時短になるわけです。

もちろん選考状況だけではなくて、プロフィールや適性検査の結果、希望業種などの情報も載せてマッチングしていきます。最近では逆求人系と呼ばれるスカウトサイトが増えてきた中で、キミスカの強みは「選考状況を有益に活用できる」という点ですね。

No.1を狙わなければ会社は潰れていた

—— これまでで最大の失敗談を教えてください。

僕らの会社って4年くらい前までは沢山の業界に紹介していたんですよ。例えば薬剤師、MR、エンジニア、第2新卒の紹介などいっぱいあって、要は事業を多角化しすぎちゃってたんですね。今思うと、何でもいいからとりあえず規模を拡大しようとしていましたね。

そういう状況になると、どういうところにリソースを使って、どうやって経営をしていくのか、など社員ひとりひとりの方向性にバラつきが出てきて、会社としてうまくいかなくなっていったんです。単純に売上は立っていないし、社員の士気は低いし、離職率は高いし、どこ向かってるか分からないとか言われるし(笑)。

そこで、社員が40人を超えてきたあたりで「このままいっても伸びないな」と戦略を考え直しました。とりあえずNo.1を取れる市場をしっかり攻めようってことで、事業をすごく絞りましたね。そこで絞った結果が新卒紹介の「キミスカ」でハンティング業界でも最大級のサービスとなっています。

また、新事業の飲食業界の中途紹介も非常に伸びていて、その業界で見てみると恐らくトップ3に入っています。会社としても地位を確立し始めてきてました。事業の絞り込みから社員たちにも影響して、「ここでNo.1を取るぞ」という目標で一致団結する結果にも繋がって士気を上げる結果となりました。

とは言え、4年前までは本当に業績も厳しくて、事業再編があと数ヶ月遅れていたら、下手したらキャッシュが無くなってたなって状況でしたね。今だから言えることですけど(笑)。

そこで学んだのは社員全員が向かう目的地をはっきりさせてまとまることの大切さですね。事業再編をしたあたりで社員が一気に減って28人になったんですけど、今はまた50人くらいの組織になりましたね。

—— そもそも経営の方針がブレてしまった原因などはどこにあるんでしょうか?

経営戦略をはっきり持っていなかったということが大きかったと思います。もちろん会社を大きくしていきたいと思っていたので、一つの業界だけの紹介だけだと売上が足らなかったんですよね。だから色んな業界に手を出してしまったんですけど、結局どれも中途半端になってしまう、という結果になっていまいましたね。

また財務的に会社を見れるメンバーも少なくて、30人40人超えてきたあたりで財務戦略、キャッシュフロー等をやらないと財務が回らなくなっちゃって…まぁ一言でいうと経営の緩みなんですけど(笑)。

—— 事業再編を行った際に、同時に働き方や会社の制度の部分も再編しましたか?

もともとゴリゴリ営業することでやっていってた会社だったんですけど、そこから色んなことを科学する、マーケティング要素を取り入れる会社になったかなと思っています。とにかく気合と根性で電話するだけーみたいな働き方も限界がありますよね(笑)。

あと事業を絞った結果、多数あった業界から2つに絞ったことでマーケティングにかけられる予算も全く変わり、その業界を深掘りできるところが多くなりました。深く広く掘っていく事ができるようになってきたので、その業界での認知度があがることによって、問い合わせも自動的に増えるんですよね。最近やっと「〇〇といえばグローアップ」という認識に近づいてきたかな、と思っています。

—— その失敗から得た教訓などを教えてください

そうですね、やっぱり僕がよく社員にも言っているのは「No.1にこだわる」というところですね。No.1とNo.2では圧倒的にポジショニングが違うじゃないですか、売上も認知のされ方も。そういう意味でもやるからには、その業界で自分たちの強みを確立してNo.1を取る、という気持ちで経営戦略を立てるようになりました。

常にワクワク・成長できる環境へ

—— 今の経験を持って、もう一度起業した24歳に戻ったとしたら起業はしますか?

そうですね、起業はしたいですね。ただ一つだけ僕がやれたら良いなと思うのは、今の規模の僕がグローアップという会社に入りたいですね、3年働いてそこから上場して5年目あたりで起業できれば一番綺麗だろうなと思います。

会社が成長する中で、どう組織化していくか、どうスケール化していくのか、株価がどういう動きをするのか、というのは、正直今でも勉強したいと思っています。ここのような環境で勉強して起業したいですね。

せっかく過去に戻ったのにまた社長という重いポジションに立つのかと思われるかもしれませんが、僕は責任感を感じるほど、楽しいと思うタイプなんですよ。重い責任を負えるというのは誰にでも経験できることじゃないし、人が聞けば苦労だと思う瞬間が一番人として伸びるじゃないですか。僕は常に成長できる環境にいたいと思っています。

苦しい環境のなかで自分がどこまでやれるのか、にも興味がありますし、人から感謝されるようなサービスを展開したいです。そんなワクワクがなかったら人生つまんないなと思いますね。

お互いに尊敬し合える友達は一生の宝物

—— 最後に若者(今の大学生)に伝えたいメッセージをお願いします。

色んなことにチャレンジしてほしいなと思います。もちろん死んじゃうようなチャレンジはしないほうが良いんですけど、死なない程度のちょっとの失敗なんて気にしないでチャレンジし続けて成長してほしいと思います。やりたいなと思うならすぐやったほうがいいと思います。

あとはせっかく皆さん大学生なので、出来るだけ沢山の友達を作って欲しいです。その中でも出来れば尊敬できるような友達をたくさん見つけてほしいですね。こいつ面白いな、変わってるな、優秀だな、とか何でも良いんですけど、そういう人たちって社会に出て絶対的に成長したり、いい環境に行くと思っています。

そんな友達と社会に出ても繋がれて、色んな業界のナマの情報を得ることができるようになれれば本当にかけがえのない価値だと思います。色んな人と出会って、話して、遊んで、尊敬し合えるような関係にしていくことが学生のみなさんができる最高の行動だと思います。

株式会社グローアップ

設立 2008年2月
資本金 5487万5000円
売上高 6億9,800万円(2019年1月)
従業員数 50名(2019年9月末現在)
事業内容 有料職業紹介事業(許可番号 13-ユ-304257) Web戦略事業
URL https://grow-up1.co.jp https://kimisuka.com/2021
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