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【株式会社ペライチ 橋田 一秀】将来に悩むなら社会人に会おう。人と話すことはあらゆる課題を解決する。

2019/09/28

Profile

橋田 一秀

株式会社ペライチ 代表取締役

新卒で株式会社NTTデータに就職。1年半勤務した後、株式会社うるるにエンジニアとして就職。2014年に株式会社ペライチを創業し、代表取締役に就任。
同社は「ペライチ」という、誰でも早く簡単に1ページのホームページ作成をできるWebサービスを運営している。その使いやすさから評価され、登録ユーザー数は16万人に登る。
そんな橋田一秀氏も起業してから様々な苦労があったという。困難の乗り越え方を伺った。

ペラ一枚のサイトをゼロから簡単に作れるようにしたい!

—— まずはじめに、株式会社ペライチさんはどういうサービスを提供されていて、なぜそのサービスの会社を立ち上げたのか?そのきっかけを教えてください。

僕らが提供しているサービスの内容は、WEBサイトを簡単にゼロから立ち上げられるというものです。サービスを開始してからだいたい4年くらいになりますね。きっかけは、もともと周りでWEBサイト作成に困っている人が多かったから。というのがやっぱり大きな理由です。

あともう一つ理由があって、僕自身前職がエンジニアで、いわゆるWEBサービスを作ったりプログラム構築とかの仕事をしていたんです。そしたら周りから「ホームページ作れるんでしょ?作ってよ!」みたいな相談が来るようになって。

本業じゃなかったんですけど、たまに週末とかにそういうお手伝いをしてて。ただ、ホームページって言っても、会社立ち上げ当初のWEBサイトっていうのはそんなにボリューミーなものにする必要はないので、そのときにいわゆる「ペラ一枚」のサイトをずっと作ってたんです。

とはいえ、ペラ一枚のサイトを毎度ゼロから作るのってまあまあ大変で、そういうペラ一枚のサイトを簡単に作れるサービスってないのかな?って探したときに海外製品の日本語版があったんですけど、それがもうまさに海外のテンプレートって感じであまり日本向けじゃなかったんですよね。

そこで、じゃあペラ一枚のサイトを簡単に作れるものを日本で出そう!ってなったのが「株式会社ペライチ」を立ち上げたきっかけですね。

会社の成長と同時に常に壁がある。

—— サービスを立ち上げて経営していく中で大変だったことってありますか?

基本的に大変なことばかりです(笑)。たとえばサービスを作り込んでいく中で、本当にそれにお金を払ってくれるのか?とか、本当に使ってくれるのか?とかがわからなかったので、まずはそこをちゃんとリサーチするために、いろんな人に話を聞きに行ったっていうのも苦労しましたね。

サイトを制作したいって思っている知り合いとか、Twitterとかを使って話を聞いたりもしました。やっぱり、自分のプロダクトがどんな人に刺さるのかっていうのを、サービスを作り上げながら考えたりするのが最初の試練だったと思います。

—— その壁はどのように乗り越えましたか?

そうですね。具体例とは少し違うんですけど、壁を乗り越える方法っていうのは、やっぱりできるだけ多くの人から話を聞いて、自分で問題解決できるための引き出しを増やすことですね。

今でもやってるんですけど、自分が経験したことないことっていっぱいあるじゃないですか?会社が成長していくにあたって課題の質とか量とかってどんどん変わっていくんです。だから僕も経営者やってますけど、常に初めての壁にぶつかっているわけなんですよ。

そういった初めての壁を乗り越えるためには、自分で解決策を見つけることが大切で、その解決策を手っ取り早く見つけるための条件が自分の引き出しの多さだと思うんです。

本を読むことでも自分の引き出しの量を増やせますが、やっぱり教科書に書いてないことも少なくない。だからさっきの話でもそうですけど、自分の引き出しを増やすために僕の場合は人に話を聞きに行くっていうことなんですよね。

—— では、人から話を聞いて実際にサービスを立ち上げた後に、次に出てきた壁っていうのは何だったのでしょうか?

サービスを出した後にじゃあたとえばユーザーが最初使ってくれましたと。それがこのまま伸びるのか?ユーザーを増やすためにはどうすればいいのか?うちは無料から使えるサービスなんですけど、無料で使った人がお金を払いたいと思ってもらえるためにはどうすればいいのか?とか、もう目の前にあるいろんな課題が第二の壁でした。

—— その課題に直面して、思うようにいかなかったこととかはありますか?

いっぱいあるなぁ(笑)。たとえばサービスの話で言うと、作ったけど使われない機能があったりとか、ほかにも会社の中身で言うと、会社に合わなくて辞めていったメンバーがいるとか、思ったよりお金がかかっちゃったりとか。そういうのはいっぱいありますね。

—— 使われなかった機能って具体的にどんなものですか?

たとえばこれは去年の話なんですけど、ペライチって月2,000円、3,000円みたいな形で定期的にお金をもらったり、もしくは年間契約とかで収益化するサブスクリプション型のビジネスモデルで、去年作った8,000円のプランが全く使われなかったんです(笑)。

月1,000円、2,000円っていう既存のプランがあってその上に8,000円のプランを作ったんですけど、これはただプライシングに失敗して、その後に8,000円相当のプランを3,000円に変更したらめっちゃ売れたんですよ。つまりはターゲットが求める値段じゃなかったっていうのと、それに対する価値を感じてもらえなかったっていうことなんです。

でもそれをポジティブに捉えるなら、逆に値段を低く設定したものを上げるのってまあまあハードルが高くて、たとえば2,000円のものを3,000円に上げるっていうと、今まで使ってた人が「え?」ってなるじゃないですか?、あえて高めに設定したって言うのもあるんですけど、そういう力学も働いて価格を3,000円にしたときにたくさん売れたんだと思います。

よく、いっぱい失敗した方が成功するって言われるじゃないですか?僕はそれが正しいと思っていて、うちの会社ではたくさんトライするって言う価値観を共有しているんです。だから、今回のプライシングも初めは失敗だったけど、結果的に成功だったなと感じています。

 

社員同士の距離感をなくしたい。コミュニケーションのトラブルはビジネススキルに影響する。

—— 今抱えている課題があれば教えてください。

最近感じている課題はやっぱり同じオフィスにいるからわかるんですけど、社員同士に距離感があるっていうところですね。

たとえば僕もそうなんですけど20人とか30人とかいると会話をしないメンバーが出てきますよね。まぁ物理的にしょうがないんですけど、そうなった時にお互いに対する見えない遠慮みたいなものがあると思うんですよ。それの何がいけないかって、相手のことをわかりきっていないから、コミュニケーションに時間がかかってしまって、結局トラブルが発生する確率が上がるんですよね。

現在のビジネスにおいてコミュニケーションのスピードがビジネススキルを決めると僕は思ってて、つまりビジネスを展開していく上で、そういうコミュニケーションのトラブルで二の足を踏んでる場合じゃないんですよ。市場で勝つためには社内の結束力が重要なんです。

だから僕は毎週社員とランチするって決めてやってて、今後も何か結束力を高めることをやりたいなって思ったり、そういった施策を考えたりもして今は調整段階って感じです。

将来で悩むのは社会人と関わる時間が少ないから。大人と接触する機会を作ること。

—— 最後に、就職や将来に悩んでいる学生へメッセージをいただきたいです。

そうですね。大人と会話できる機会を持つっていうアクションを起こすことをオススメします。今この記事を読んでいる人たちってきっと「自分は何をしたいんだ?」って思っている学生がほとんどだと思うんですよ。大学生全体に言えることなんですけど、そういう疑問が出てくる原因は社会人っていうのがよくわかっていないからなんです。

たとえば就活するってなってもたいてい3年生からとかからじゃないですか?はっきり言って遅すぎるんですよ。大学在学中はずっと同世代の人とばっかり関わって、それはそれでいいんですけど、卒業した途端にそのコミュニティが断裂して急に就職して大人と一緒に仕事をするっていうその仕組み自体が微妙。

それに、全員とまではいかないけど最初に入った会社で「本当にこの会社で良かったのか?」ってモヤモヤする人は少なくいはず。それは学生時代に働くということを考える時間や大人と関わる時間が少なすぎたからっていうのがほぼ全ての理由だと思うんです。

実際僕は最初に入った会社をたった1年半で辞めてるし、それから一時期ふらふらしてたんですけど、知り合いの仕事を手伝ったりしてたくさんの大人と関わるようになって、結局それが僕の今の仕事になっているんです。

だから学生に限らず若いときは人に会いに行くっていうのが一番いいと思ってる。会いたい人に会いに行くでもいいし、たとえば講習会に参加したり、変な話草野球チームに参加したっていい。とにかく大人と会話できる機会を作ること。

そしてそこで「カッコいい」とか「価値観が合う」って思えるような大人を見つけて、その人たちの話を聞けばきっと自分の将来とか想像できるようになるし、仕事感や自分の人生に対して何かを変えるきっかけになると思うんです。

だから、とにかく大人と接触する機会を作るアクションを起こすこと。これが僕からのメッセージです。

株式会社ペライチ

設立 2014年4月21日
資本金 4億558万9706円(資本準備金含む)
売上高 非公開
従業員数 19名(2019年9月現在)
事業内容 Webサービス事業
URL https://peraichi.com/
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